みなさんは、等位接続詞「for」の意味や使い方を理解していますか?本記事では、等位接続詞「for」はもちろんのこと、もっと基礎的な「接続詞とは何か」から説明していきます。簡単な英文を用いて解説しているので、この機会にしっかりと理解してしまいましょう。
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等位接続詞とは?
みなさんは、等位接続詞と聞いてどういうものかすぐに思い浮かびますか?
等位接続詞とは、文法上対等な関係にあるものを結ぶ接続詞のことです。文と文、語と語、句と句(語のかたまりのこと)といった、対等な関係にあるもの同士を繋げます。有名なところでは、「and」や「but」そして「or」なども等位接続詞です。そして、実は「for」も等位接続詞として働くことがあるのです。
しかし等位接続詞を理解するには、接続詞をしっかりと理解しておく必要があります。
まずは、接続詞とは何か?から説明していきます。
そもそも接続詞とはどういう働きをするの?
接続詞とは、「何かと何かを繋ぐ役割を持つ語」のことです。
日本語の例文を用いて考えてみましょう。
「昨日は雨が降りそうだったけど、降らなかった。」
昨日は一日中曇っていて、いつでも雨が降りそうな天気だったんでしょう。だけど降らなかったというわけです。
この場合、2つの文が繋がっているのがわかりますか?
そうです。「昨日は雨が降りそうだった」と「雨が降らなかった」の2つですね。
この2つの文を「けど」が繋げている。つまり、この「けど」が接続詞として働いているわけです。
では、実力をつけるために、これを英語にしていきましょう。
まず、「〜しそうだ」は「look like」が使えそう。「雨が降りそうだ」は「it is going to rain」ですね。「昨日」は英語で「yesterday」なので、過去のことを言っていることに注意すると、「It looked like it was going to rain yesterday」となります。
残りは「雨が降らなかった」です。「雨が降る」は「rain」なので、天気を表すときに使う「it」を用いて「it didn’t rain」となります。さあ、2つの文が揃いました。これを「しかし」を意味する接続詞「but」を使って、接続してみましょう。
英文:It looked like it was going to rain yesterday, but it didn’t rain.
和文:昨日は雨が降りそうだったけど、降らなかった。
ただし、このままでは「rain」が重複していてくどいので、後半の「rain」を省略します。すると、
英文:It looked like it was going to rain yesterday, but it didn’t.
となります。これで、接続詞がどんなものかは大体理解できました。2つのもの(上記の場合は文と文)を接続するのが接続詞です。
さて、接続詞は、文の繋ぎ方により、主に等位接続詞、従位接続詞、接続副詞の3つに分けられます。
等位接続詞=対等な関係にあるもの同士を接続する
最初に説明したとおり、等位接続詞とは文と文、語と語、句と句といった、対等な関係にあるもの同士を繋ぐ接続詞のことです。例文を3つほど挙げてみます。
等位接続詞「and」
英文:Ken and Keiko are getting married in June.
和文:ケンとケイコは6月に結婚するね。
○説明
「〜と…」を表す「and」。この例文では語と語(「Ken」と「Keiko」)を接続しています。
等位接続詞「but」
英文:It looked like it was going to rain yesterday, but it didn’t.
和文:昨日は雨が降りそうだったけど、降らなかった。
○説明
「〜しかし…」を表す「but」。この例文では、文と文を接続しています。
等位接続詞「for」
英文:I am really tired, for I have been working for about 18 hours.
和文:私はすごく疲れています。というのは、もう18時間ぐらい働きっぱなしだからです。
○説明
「というのは」のように理由を表す「for」。実は、「for」が接続詞になることを知らない英語学習者もいます。「for」が文と文を接続しています。
従位接続詞=主従関係にある2文を接続する
従位接続詞は従属接続詞とも言いますが、大切なことは主節と従位節を接続することです。と、ここで主節と従位節という難しそうな用語が出てきましたので、例文を用いて説明していきます。
ただ、この時点でわかることは、使われている漢字から推測して、どうやら主従関係がありそうだということです。そして、主従関係があるということは対等ではない、つまり、等位接続詞とは違いがありそうだ、このくらいの理解で十分です。
まず最初に、「節(せつ)」とは主語と動詞、つまり、SとVがあって構造的には英語の文として成立しているもの、ということを頭に入れておきましょう。
従位接続詞「because」
従位接続詞で代表的なものとして「because」を例に挙げてみます。意味は「なぜならば」とか「〜だから」でしたね。
英文:The game was canceled because it was raining heavily.
和文:その試合は中止になりました。なぜならば、雨が激しく降っていたからです。
○説明
この場合、2つの文が接続されているのがわかりましたか?「The game was cancelled」と「it was raining heavily」ですね。
では、どちらが主節、つまりメインとなる文でしょうか?
この文を書いた人が一番伝えたいことは、ほぼ間違いなく、試合が中止になったことです。つまり、「The game was cancelled」が主節となります。
ただし毎回、どっちが主節だろう?と意識する必要はありません。というのは、ほどんどのケースで、従位接続詞の後ろの節が従位節となるからです。
この他にも、従位接続詞には、「〜だから」を表す「since」や「〜したときに…」の時を表す「when」、「もし〜ならば…」の条件を表す「if」など、たくさんあります。
接続副詞
接続副詞とは、副詞でありながら接続詞的な使い方をするもので、具体的には「so」や「yet」、「however」などが接続副詞です。
等位接続詞や従位接続詞との違いは、「I’m so happy!」という風に、副詞になれる点です。ここでは例として、「〜だから…」を表す「so」を取り挙げて以下の例文を見てみましょう。
接続副詞「so」
ここでは、例として、「〜だから…」を表す「so」を取り挙げて以下の例文を見てみましょう。
英文:I got the flu yesterday, so I have to stay home from work.
和文:昨日インフルエンザにかかっちゃった。だから、会社を休まないといけないの。
○説明
「I got the flu yesterday」と「I have to stay home from work」が「so」によって接続されていますね。
等位接続詞「for」は「理由・根拠」を表す接続詞
記事のタイトルにもある等位接続詞「for」に話を戻しましょう。
等位接続詞「for」は、まず何かを述べてからその理由や根拠を説明するときに使う「というのは」に相当します。そして、「and」などとは違い、必ず文と文を繋げます。わかりやすく日本語で言うと、「私はこう思う。というのは、それがああなっているからだ。」の「というのは」の部分です。
さて、「for」には理由を表す使い方が他にもあります。例えば以下の文。
英文:Chiba Prefecture is famous for peanuts.
和文:千葉県は落花生で有名です。(prefecture=県)
○説明
この中の「for」は「落花生で」の「〜で」に相当し、意味的には「千葉県が有名な理由」になっています。
ところで、等位接続詞として使用されたときの「for」との違いに気づきましたか?
ここでは「for」の前後が文と文になっておらず対等になっていないのがわかります。「for」の前の文が主語(S)+動詞(V)からなる文なのに対し、「for」の後ろは文ではなく名詞になっています。ここから等位接続詞ではないことが分かります。これは、前置詞の「for」です。
等位接続詞「for」と前置詞「for」の見分け方
- 等位接続詞: 主語(S) + 動詞(V) 〜, for 主語(S) + 動詞(V) 〜.
- 前置詞:主語(S) + 動詞(V) for 名詞(n).
※等位接続詞に関しては諸説あり、forが文頭にくる場合も稀にあります。
等位接続詞「for」の使い方
等位接続詞としての「for」は、口語で使われる場合、お堅い演説や講義以外ではあまり使われません。文語で使用されることもありますが、「because」の方が多く使われます。それゆえ、自分で理由や根拠を説明する際に、「because」ではなく等位接続詞「for」を使う場面は多くないでしょう。
しかし、他人が書いた文章を読む際や、著名人のスピーチを聞く際などに、等位接続詞「for」が出てきても戸惑わず、しっかりとその内容を理解できるよう、使い方や意味などは確認しておきましょう。
ちょっと気になる「for」と「so」の違い
先程の接続副詞の説明で「so」を取り挙げましたが、「for」と「so」にはどのような違いがあるのでしょうか?
英文:I got the flu yesterday, so I have to stay home from work.
和文:昨日インフルエンザにかかっちゃった。だから、会社を休まないといけないの。
等位接続詞「for」の場合との違いに気づきましたか?
実は、前後の因果関係が逆になっているのです。でも、気づかなくても大丈夫。まずは、日本語で考えてみましょう。
和文:昨日インフルエンザにかかっちゃった。だから、会社を休まないといけないの。
この前後を入れ替えてみましょう。
和文:会社を休まないといけないの。というのは、昨日インフルエンザにかかっちゃったから。
こうすると、「会社を休む」原因が「インフルエンザにかかったから」となり、因果関係が逆になります。ということは、この文は、理由・原因を表す等位接続詞「for」を使っても書けるはずです。早速やってみましょう。
英文:I have to stay home from work, for I got the flu yesterday.
和文:会社を休まないといけないの。というのは、昨日インフルエンザにかかっちゃったから。
書けましたね。とは言っても、上で説明したように、わざわざ「for」を使って書く必要があるのかと聞かれると、Yesと答えるのは難しいでしょう。
しかし、こうしたことを一つひとつ理解していれば、英語の文構造を把握できるようになり、読解スピードやリスニングスキルの向上に繋がります。あなたの英語力向上において、文法力は不可欠です。
等位接続詞「for」とその使い方のまとめ
等位接続詞「for」について解説してきました。ここまでのことをもう一度振り返り、記憶に定着させてしまいましょう。
4つのポイント
- 接続詞は「等位接続詞」「従位接続詞」「接続副詞」の3つに分類される。
- 等位接続詞とは、対等のものを接続するもの。
- 等位接続詞「for」は、前の文を受けて、理由を与える。
- 接続副詞「so」との違いは、因果関係が逆になっているところ。
難しい用語がたくさん出てきましたが、大切なことは英語の構造を見抜くことです!これが出来るようになれば、リーディングやリスニングはもちろんのこと、ライティングにおいても、確実にスキルアップできます。
等位接続詞やら従属節やら難しい用語だな…と毛嫌いせずに、是非ポジティブに英語に向き合ってみてください!
また、ここまで読んでくださった方の中で、英語が得意になりたいけど学習方法がわからず困っているという方がいらっしゃれば、一度、英語学習のプロに相談してみることをおすすめします。
英語ができない原因がどこにあるのか、何が課題になっているのか、プロ目線で科学的根拠に基づいたアドバイスを受けた上で学習を進めていくことで、効率よく学習を進めていくことができます。
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