「IELTSのスコアってどうやって算出されているの?」
「バンドスコアとオーバーオールスコアの違いって何?」
「大学留学しようと思っているんだけど、IELTSでどれくらいのスコアが必要なの?」
IELTSを受験しようとしている方で、「スコア」に関してこのような疑問を抱えている方はいませんか?
TOEICや英検などの一般的な英語資格試験とは異なり、IELTSのスコアの算出方法はかなり特殊です。
大学・大学院留学や海外移住を実現するためには、そのスコアの仕組みについて知る必要があります。
本記事では、IELTSのスコアの算出方法、IELTSの各スコアにおける英語力の目安、TOEICや英検など他の英語資格試験との換算などについて詳しく解説します。
読み終わる頃には、IELTSのスコアの仕組みが熟知できるでしょう。
IELTSの受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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そもそもIELTSとは?
そもそもIELTSとはどのような試験であるのか、下記の点から紹介します。
- 試験の概要
- 試験の種類
- 試験形式
- スコアの有効期限
試験の概要
IELTS(International English Language Testing System)は、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどイギリスと歴史的に関係の深い国々を中心に世界中の140を超える国や地域で、英語力を証明する試験として活用されています。
大学・大学院への留学や海外移住をする際に活用されることが一般的です。
イギリス発祥の試験であることから、以前はアメリカやカナダの大学・大学院では英語力の証明としてIELTSのスコアを利用することが認められていませんでしたが、現在は状況が変わってきています。
idp IELTSによると、カナダのほとんどの大学・大学院、アメリカではアイビー・リーグも含まれる3,000以上もの大学・大学院でIELTSのスコアを入学基準に活用しています。
試験の種類
IELTSは、受験の目的にあわせて下記の2種類の試験に分かれます。受験する際にはよく注意してください。
IELTSの種類 | 受験目的 |
アカデミック・モジュール | 英語圏の国を中心とした海外の大学・大学院への入学の際に英語力の証明として活用される |
ジェネラル・トレーニング・モジュール | カナダやオーストラリア、イギリスなどの国への移住申請の際に活用される |
【豆知識:IELTSのアカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールは試験内容が重複している】
リスニングとスピーキングに関しては、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールいずれも試験問題が同じです。
しかし、リーディングとライティングは異なります。
【アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの問題の違い】
リーディング | リスニング | ライティング | スピーキング |
異なる | 同じ | 異なる | 同じ |
アカデミック・モジュールでは学術的かつ専門的な内容が出題されるのに対して、ジェネラル・トレーニング・モジュールでは海外での日常生活に即した内容になっています。
試験形式
IELTSには、下記の3種類の試験形式が存在します。
- コンピューター方式(会場受験)
- ペーパー方式(会場受験)
- オンライン方式(自宅受験)
本章ではそれぞれの試験形式の特徴について解説します。
どの形式で受験すべきか判断するのに参考にしてください。
コンピューター方式(会場受験)
コンピューター方式は、試験会場に行き会場内のコンピューターで受験する試験方式です。
試験時間は全体で2時間45分となっており、その内訳は下記の通りです。
セクション | 試験時間 |
リスニング | 30分 |
リーディング | 60分 |
ライティング | 60分 |
スピーキング | 11〜14分 |
試験結果は、試験日の5~7日後にオンラインで確認できます。
コンピューター方式(会場受験)には下記のようなメリットとデメリットがあることから、パソコン操作に慣れている人や、少しでも早く結果を知りたい方におすすめです。
メリット | ・キーボードでの解答なので、面倒な手書きが不要である・試験結果がすぐに分かる |
デメリット | ・コンピューター操作に慣れている必要がある・タイピングに自信がないと、回答に時間がかかる |
ペーパー方式(会場受験)
ペーパー方式は、試験会場で紙の問題用紙が与えられて手書きで回答するタイプの試験です。
試験時間はコンピューター方式と変わりません。
試験結果は、通常試験日から13日後に公表されます。オンラインで確認可能です。
下記のようなメリットとデメリットがあることから、ペーパー方式(会場受験)は手書きに慣れている方や、コンピューターが苦手な方におすすめします。
メリット | ・コンピューター操作のスキルが不要である・直感的で取り組みやすい |
デメリット | ・試験結果が出るまでに時間がかかる・回答用紙に綺麗で読みやすい字を書く必要がある |
オンライン方式(自宅受験)
オンライン方式のIELTSは、特定の技術要件を満たすパソコンと安定したインターネット接続があれば、自宅やオフィスなど、どこからでも受験可能な形式です。
試験時間は、会場受験と変わりません。
結果は通常、試験日の7日後にオンラインで確認できます。
下記のようなメリットとデメリットがあることから、外出せずに試験を受けたい方や、安定したオンライン環境が確保できる方におすすめです。
メリット | ・移動の手間やコストを省ける・慣れた環境で受験できる |
デメリット | ・安定したネットワーク環境で受験する必要がある・外部の影響で集中しにくい可能性がある・事前に必要な技術設定をする必要がある・試験中に発生するトラブルに自分で冷静に対処する必要がある |
スコアの有効期限
IELTSのスコアの有効期限は、試験日から2年間です。この期間内であれば、留学、就職、移住等の申し込みにおいてスコアを使用できます。
多くの組織や機関では、IELTSスコアを英語能力の評価基準として利用します。したがって、スコアの有効期限内に必要な手続きを行い、計画的なアクションを進めることが不可欠です。
また、受験者には、4つのスキル(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)のそれぞれのスコアと、その平均値となるオーバーオールスコアが記載された成績証明書(Test Report Form:TRF)が郵送されます。
追加で成績証明書を請求することも可能ですが、一定の手数料が発生する場合があるため注意してください。
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IELTSのスコアの算出方法
IELTSのスコアの算出方法は、TOEFLや英検などとは異なりかなり特殊です。
下記の2種類に分かれて算出されるので注意してください。
- バンドスコア
- オーバーオールスコア
本章では、それぞれのスコアの算出方法について詳しく解説します。
バンドスコア
バンドスコアとは、下記の4つの受験者のスキルをそれぞれ1〜9の段階で0.5点刻みで評価したものです。
- リーディング
- リスニング
- ライティング
- スピーキング
1は非常に低いスコアを、9はエキスパートレベルを示します(試験放棄の「0」もありますが、受験者のスコアは1〜9です)。
オーバーオールスコア
オーバーオールスコアとは4技能のバンドスコアの平均値のことで、最終的な英語能力を示す指標となります。
バンドスコア同様に、1〜9の段階で0.5点刻みで評価されます。
また、下記のように必要に応じて0.25点刻みで「切り下げ」や「切り上げ」が行われるのも特徴です。
【Aさんの場合】
Reading | Listening | Writing | Speaking | 4つのスキルの平均値 | Overall Score |
6.0 | 6.5 | 6.0 | 5.0 | 5.87 | 6.0 |
【Bさんの場合】
Reading | Listening | Writing | Speaking | 4つのスキルの平均値 | Overall Score |
3.5 | 5.0 | 4.0 | 4.0 | 4.12 | 4.0 |
総合的なコミュニケーション能力を重視していることから、多くの教育機関や雇用者がバンドスコアよりもオーバーオールスコアを重視しています。
そのため、IELTSのスコアを活用して留学や就職、移住などを実現したい場合は、オーバーオールスコアを上げる、つまり英語4技能をバランスよく育成することが大切です。
IELTSのバンドスコアごとのレベル
IELTSは1から9までのバンドスコアで受験者の英語力を評価することを説明しましたが、本章では、各バンドスコアの英語力の目安について詳しく解説します。
IELTSのバンドスコア1の英語力の目安
IELTSのバンドスコア1は「非ユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | 普段英語に触れておらず、使う機会もなく、基本的な単語の羅列以外は理解できない。 |
リーディング | 普段英語に触れておらず、使う機会もなく、基本的な単語の羅列以外は理解できない。 |
ライティング | 的外れな回答で、メッセージもない。単語を並べているだけの状態。文型はまったく使いこなせていない。 |
スピーキング | 英語での会話が不可能。 |
IELTSのバンドスコア2の英語力の目安
IELTSのバンドスコア2は「散発的なユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | よく知っている状況下において、ごく簡単な文章の理解ができる。会話のできるレベルではない。 |
リーディング | よく知っている状況下において、ごく簡単な文章の理解ができる。 |
ライティング | 設問の意図に沿った回答ができていない。ごく限られた語彙しかなく、暗記している表現以外は使えない。 |
スピーキング | 言葉が出てこず沈黙することが大半で、コミュニケーションが取れるレベルではない。発音も正しくない。 |
IELTSのバンドスコア3の英語力の目安
IELTSのバンドスコア3は「非常に限定的なユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | よく知っている状況において大まかな意味が理解できる。 |
リーディング | よく知っている状況において大まかな意味が理解できる。 |
ライティング | 設問の意図に沿った回答ができておらず、何を伝えたいのかもわからない。ごく限られた表現や語彙しか使えない。文法や句読点の誤りが多い。 |
スピーキング | 簡単な文章をつなぐことすら難しく、長い沈黙がある。簡単な語彙を用いたシンプルな受け答えしかできない。暗記した表現をそのまま使う以外はうまくメッセージを伝えられない。 |
IELTSのバンドスコア4の英語力の目安
IELTSのバンドスコア4は「限定的なユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | よく知っている状況であれば基本的な英語が理解できる。 |
リーディング | よく知っている状況であれば基本的な英語が理解できる。 |
ライティング | 設問の意図を理解できているが、要点が網羅できておらず形式も整っていない場合がある。繰り返しや不正確なつなぎ語の使用などがあり、読み手に負担をかける場合がある。 |
スピーキング | 応答にタイムラグがあり、話す速度も遅い。同じことを繰り返したり、言い直したりすることが多い。発音についても間違いが多く、文法の誤りもあり相手に正確に意図を伝えるのが困難。 |
IELTSのバンドスコア5の英語力の目安
IELTSのバンドスコア5は「中程度のユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | 部分的に理解できているが、大半が間違っている。詳しい分野であればコミュニケーションが取れる。 |
リーディング | 部分的に理解できているが、大半が間違っている。詳しい分野であればコミュニケーションが取れる。 |
ライティング | 課題の要件は満たしているが、意図が不明瞭だったり明確な概要がなかったりするために十分に説明できていない。つなぎ語を適正に活用できていない。最低限必要なレベルの語彙力。 |
スピーキング | 沈黙なく話せるが、同じことを繰り返したり言い直したりする。一定のスピードで正確に話し続けるのは難しい。パラフレーズできるほどの語彙力は備えていない。基本的な文型はある程度使いこなせる。 |
IELTSのバンドスコア6の英語力の目安
IELTSのバンドスコア6は「有能なユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | 間違いもあるものの、概ね聞き取れる。よく知っている状況では複雑な表現も理解できる。 |
リーディング | 間違いもあるものの、概ね聞き取れる。よく知っている状況では複雑な表現も理解できる。 |
ライティング | 適切に概要が伝えられており、要点も十分に強調できている。ただし、詳細の関連性や正確性に課題が残る。基本的な単語は使えている。 |
スピーキング | 言い直しや繰り返し、言い淀みなどがある。議論に必要な語彙力やパラフレーズするだけの能力を有している。正しく発音できることも、間違うこともある。 |
IELTSのバンドスコア7の英語力の目安
IELTSのバンドスコア7は「優秀なユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | たまに間違うが、ほとんどの場面で複雑な言葉も理解できる。 |
リーディング | たまに間違うが、ほとんどの場面で複雑な言葉も理解できる。 |
ライティング | 課題の要件を満たしており、明確に概要や意図が記述できている。強調や箇条書きを効果的に使用できる。全体的にまとまりのある文章が書ける。 |
スピーキング | 難なく長く話し続けられる。難易度の高い慣用句も用いてテーマについて議論ができる。概ね正しい文法を使いこなせる。 |
IELTSのバンドスコア8の英語力の目安
IELTSのバンドスコア8は「非常に優秀なユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | たまに間違うが、概ね英語を理解できている。 |
リーディング | たまに間違うが、概ね英語を理解できている。 |
ライティング | 課題の要件を満たし、強調や箇条書きなども使いこなせている。論理的に広い観点で文章をまとめられる。多くの構文を使いこなし、間違いはごくまれ。 |
スピーキング | たまに間違うが、概ね問題なく会話できる。必要に応じてパラフレーズも可能。間違いはごくまれ。 |
IELTSのバンドスコア9の英語力の目安
IELTSのバンドスコア9は「エキスパート・ユーザー」に分類され、英語力の目安は下記の通りです。
技能 | 英語力の目安 |
リスニング | 非常に高いレベル。ネイティブと同等。 |
リーディング | 非常に高いレベル。ネイティブと同等。 |
ライティング | 課題の要件を完全に満たしたクオリティの高い文章が書ける。 |
スピーキング | どんなテーマでも流暢にネイティブと変わらないレベルで発話できる。ネイティブでも犯すミスくらいしか間違いがない。 |
【セクション別】IELTSのスコア評価基準
IELTSの各セクションの採点・評価基準を知ることは、スコアの向上や試験対策をする上で必要不可欠です。
本章では、下記の4つのセクションごとのスコア評価基準について詳しく解説します。
- リスニング
- リーディング
- ライティング
- スピーキング
リスニング
IELTSのリスニングセクションは、約30分間で40個の問題に答えます。1問正解するごとに1点加算されて、合計点でバンドスコアが決まります。
idp IELTSによると、リスニングセクションの点数とバンドスコアは下記の通りです。
- バンドスコア5=40点満点中16点
- バンドスコア6=40点満点中23点
- バンドスコア7=40点満点中30点
- バンドスコア8=40点満点中35点
リーディング
リーディングテストは60分間で40個の設問に回答します。1問正解するごとに1点加算されて、合計点でバンドスコアが決まります。
idp IELTSによると、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールそれぞれのリーディングセクションの点数とバンドスコアは下記の通りです。
【アカデミック・モジュールの場合】
- バンドスコア5=40点満点中15点
- バンドスコア6=40点満点中23点
- バンドスコア7=40点満点中30点
- バンドスコア8=40点満点中35点
【ジェネラル・トレーニング・モジュールの場合】
- バンドスコア4=40点満点中15点
- バンドスコア5=40点満点中23点
- バンドスコア6=40点満点中30点
- バンドスコア7=40点満点中34点
- バンドスコア8=40点満点中38点
しかし、この基準は一般的なもので、試験によって微調整が加えられることもあるようです。
ライティング
ライティングセクションは設問が2つあり、下記の4つの観点から評価されます。
- タスク1の課題の達成度・タスク2の課題への回答
- 一貫性とまとまり
- 語彙力
- 文法知識と正確さ
4つの観点それぞれにスコアがつき、最終的なスコアはその平均値となります。
全てのセクションの中で最も難しいと言われているライティングセクションの評価は厳格で、ハイスコアを取得するためには高い語彙力と正確な英文法の知識が必要です。
それぞれのタスクの評価基準について興味がある方は、下記のリンクより確認してみてください。
スピーキング
スピーキングセクションは、11〜14分間の試験で3つのパートに分かれています。
それぞれのパートの質問内容は、下記の通りです。
パート1 | 自分自身に関する問題 |
パート2 | 指定されたトピックについて1〜2分間話す課題 |
パート3 | より抽象的な質問に答える課題 |
下記の4つの観点から評価されます。
- 流暢さと一貫性
- 語彙力
- 文法知識と正確さ
- 発音
ライティングセクションと同様に、4つの観点それぞれにスコアがつき、最終的なスコアはその平均値となります。
スピーキングセクションの評価基準について興味がある方は、下記のリンクより確認してみてください。
>> スピーキングセクションの評価基準について詳しく知りたい方はこちらへ
【目的別】IELTSで取得すべきスコアの目安
IELTSで必要なスコアは、下記のように目的によって大きく異なります。
- 大学留学
- 大学院留学
- 海外移住・海外企業への就職
- 日本国内での進学
本章では、それぞれの目的別に必要なIELTSのスコアの目安について説明します。
大学留学
海外の大学に留学する場合は、IELTSのアカデミック・モジュールを受験する必要があります。
教育機関によって大きく異なるので一概には言えませんが、オーバーオールスコアは6.0〜6.5を入学の基準として設定している大学が多いです。
しかし入学までに規定のスコアを取得できなくても、大学付属の語学学校や準備コースで勉強することで留学先の大学に編入や入学することができるケースもあるので、留学を希望している大学のWebサイトや募集要項をよく確認しましょう。
大学院留学
大学院留学の、大学留学と同様にIELTSのアカデミック・モジュールを受験する必要があります。
必要なスコアは、6.5〜7.0と大学留学よりも高く設定されていることが一般的です。
しかし、大学入学と同様に入学までに規定のスコアを取得できなくても、大学院付属の語学学校や準備コースで勉強することで留学先の大学院に編入や入学することができるケースもあるので、留学を希望している大学院のWebサイトや募集要項をよく確認しましょう。
海外移住・海外企業への就職
オーストラリアやカナダ、ニュージーランド、イギリスへの移住や海外企業への就職を希望している場合は、ジェネラル・トレーニング・モジュールの受験が必要です。
IELTSのオーバーオールスコアが5.0以上あることが望ましいですが、スコアが高いほど移住ビザを取得しやすくなります。
ハイスコアの取得を目指して、しっかりと対策しましょう。
しかし、申請するビザの種類や年によって基準となるスコアが変動するため、申請前には必ず各国政府のWebサイトで確認してください。
日本国内での進学
IELTSは海外の大学・大学院への留学や海外移住をする際の英語力の証明するための試験というイメージを持つ方が多いですが、日本国内での進学や就職でも活用できます。
学部や入試の形式によって異なりますが、300校以上もの大学でIELTSのスコアを入試で活用し、優れたスコアを持つ受験生は下記のような優遇措置を受けられます。
- 英語試験の免除
- 英語試験への加点
- 総合得点への加点
- 出願資格の獲得
アカデミック・モジュールのオーバーオールスコア4.0以上で、優遇措置を受けられるケースが多いです。
【IELTSのスコアを入試に活用できる大学の例】
大学 | IELTSのスコア | 優遇措置 |
神田外語大学 外国語学部 | 4.0以上 | 英語試験に加点 |
青山学院大学 文学部 英米文学科 | 5.5 | 自己推薦に出願可能 |
上智大学 外国語学部 英語学科 | CEFR B1以上に該当するスコア | 英語試験に加点 |
早稲田大学 国際教養学部 | 4.0以上 | 総合点に加点 |
明治大学 商学部 | 4.0以上 | 出願時に利用 |
これらはほんの一例です。
志望する大学のWebサイトや募集要項を通じて、IELTSのスコアを入試で活用できるか確認してみてください。
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IELTSのオーバーオールスコアを他の資格試験や英語力の指標に換算
本章では、IELTSのオーバーオールスコアを下記の英語資格試験や英語力の指標に換算します。
- TOEFL iBT
- TOEIC
- 英検
- CEFR
他の英語資格試験を受験したことがあるものの、IELTSを受験したことがないという方はぜひ参考にしてください。
TOEFL iBT
TOEFL iBT(トーフル アイビーティー)とは、アメリカの非営利教育団体であるETSによって開発された、英語を母国語としない人を対象にした英語能力を測定するための資格試験です。
IELTSと同様に海外の大学や大学院の授業を想定したアカデミックな内容になっており、下記のような目的で活用されます。
- 英語圏の大学・大学院に入学するための英語力の証明
- 日本の大学入試の選考基準
- 日本の大学のクラス分け
TOEFL iBTは4つのセクションが30点満点で構成されているため、スコアは0〜120点で算出されます。
下表は、IELTSのオーバーオールスコアをTOEFL iBTスコアに換算したものです。
IELTS | TOEFL iBT |
8.5〜9.0 | – |
7.0〜8.0 | 95〜120点 |
5.5〜6.5 | 72〜94点 |
4.0〜5.0 | 42〜71点 |
出典:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」
TOEFLについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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TOEIC
TOEIC(Test of English for International Communication)は、主にビジネスや国際コミュニケーションの場で必要とされる英語能力を測定する試験です。
リスニングとリーディングの2つのセクションから構成される”TOEIC Listening & Reading”と、スピーキングとライティングのスキルを評価する”TOEIC Speaking & Writing Test”の2種類に分かれますが、一般的には「TOEIC= TOEIC Listening & Reading」と考えられています。
TOEIC Listening & Readingは、それぞれのセクションが495点満点、総合990点が最高点のテストです。
IELTSのオーバーオールスコアをTOEIC Listening & Readingのスコアに換算すると、下記のようになります。
IELTS | TOEIC Listening & Reading |
8.5〜9.0 | – |
7.0〜8.0 | 945点以上 |
5.5〜6.5 | 785〜940点 |
4.0〜5.0 | 550〜780点 |
3.0 | 225〜545点 |
2.0 | 120〜220点 |
出典:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」
英検
英検は、公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語4技能の検定試験です。
IELTSやTOEICとは異なり、スコアではなく受験級の合否で英語力を測定します。
下表は、IELTSのオーバーオールスコアと英検の級を換算したものです。
IELTS | 英検 |
8.5〜9.0 | – |
7.0〜8.0 | 1級 |
5.5〜6.5 | 準1級 |
4.0〜5.0 | 2級 |
3.0 | 準2級 |
2.0 | 3〜5級 |
出典:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」
CEFR
CEFR(セファール)は、英語の習得状況を客観的に評価するために考案された国際的な指標の1つです。
日本でも大学入試やビジネスの現場において、英語力の指標として取り入れられており、CEFRの評価は低い順にA1・A2・B1・B2・C1・C2となっています。
下表は、IELTSのオーバーオールスコアをCEFRに換算したものです。
IELTS | CEFR |
8.5〜9.0 | C2 |
7.0〜8.0 | C1 |
5.5〜6.5 | B2 |
4.0〜5.0 | B1 |
3.0 | A2 |
2.0 | A1 |
出典:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」
日本人のIELTSの平均スコア
日本人のIELTSアカデミック・モジュールの平均スコアは、下記の通りです。
セクション | 平均スコア |
リスニング | 5.9 |
リーディング | 6.1 |
ライティング | 5.7 |
スピーキング | 5.5 |
オーバーオール | 5.9 |
出典:IELTS “Test taker performance data 2023-2024”
本章では、それぞれのスコアのレベルについて詳しく解説します。
リーディングスコア
4つのセクションの中で、最も平均スコアが高いのがリーディングセクションです。
リーディングスコア6.1は、難関大学の英語長文の読解問題を解けるレベル、あるいは英語の新聞をある程度理解できるレベルであると言えます。
しかし、IELTSアカデミック・モジュールのリーディングセクションでは学術的な内容が取り扱われているため、さらにハイスコアを狙う場合は学術的かつ専門的な英単語の知識を身につけることが不可欠です。
リスニングスコア
日本人のリスニングセクションにおける平均スコアは5.9となっており、これは40個の設問のうち23問正解すれば取得できるレベルです。
このレベルは、日常的な会話文であれば概ね理解することができ、イギリス英語やオーストラリア英語などあまり聞き慣れていない英語でもある程度対応できます。
IELTSのリスニングは、空欄補充問題が多いです。
英文を聞き取れるだけでなく、聞き取った単語のスペリングを正確に書けることがリスニングセクションでハイスコアを取得するための鍵となります。
ライティングスコア
ライティングセクションにおける日本人の平均スコアは5.7です。
独学での対策が難しいことから、なかなかバンドスコアを上げにくいセクションであると言えます。
ネイティブスピーカーや英語教育のプロに添削してもらいながら対策することが望ましいです。
試験中は、時間内に規定の文字数以上の英文を書くことと、語彙や英文法のエラーを少なくすることを意識しましょう。
スピーキングスコア
日本人のIELTSのスピーキングセクションにおける平均スコアは5.5となっており、4つのセクションの中で最も平均スコアが低いです。
IELTSのスピーキングテストでハイスコアを取得するためには、とにかくたくさんの英語を話すことと、正しい発音で話すことが大切になります。
筆者も留学前はスピーキングセクションのスコアが低く、スコアを上げるのに苦労しましたが、オンライン英会話と英語の発音が学べる本『オバケの英語』を使って日々トレーニングしたところ、スピーキングセクションで6.5を取得できました。
下記の記事を参考にしながらオンライン英会話を効果的に活用し、IELTSのスピーキングセクション対策に役立ててみてください。
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オーバーオールスコア
日本人のオーバーオールスコアの平均は5.9となっており、IELTSが実施した調査によると39カ国の中で34位となっています。
下表は、世界各国のIELTSの平均スコアを表したものです。
国 | IELTSの平均スコア | 国 | IELTSの平均スコア |
カンボジア | 6.0 | コロンビア | 6.7 |
中国 | 5.9 | フランス | 6.6 |
韓国 | 6.3 | ガーナ | 6.6 |
モンゴル | 6.3 | イタリア | 7.0 |
フィリピン | 6.3 | ケニア | 6.6 |
サウジアラビア | 5.8 | ナイジェリア | 6.7 |
タイ | 6.3 | ロシア | 6.8 |
ベトナム | 6.2 | スペイン | 7.1 |
出典:IELTS “Test taker performance data 2023-2024”
他の国の平均スコアを見ると、ヨーロッパやアフリカなど英語を公用語として活用している国々の平均スコアは6.6以上で、日本を含んだアジア圏の国の多くの平均スコアが6.3を下回っています。
このデータからも、日本を含めたアジア圏の国々は英語を得意としていない人が多いことがうかがえますね。
短期間で効率的にIELTSのスコアを上げるならプログリット!
プログリットのIELTS対策コースは、IELTS8.0を取得しこれまでに数多くの関連著書を出版してきたIELTSの英気スパートである嶋津幸樹氏が、教材選定からトレーニング開発まで監修しています。
IELTSのスコアに合わせた3段階のレベル別カリキュラムが用意されていることから、自分の英語レベルやニーズに合ったカリキュラムを受講できることが特徴です。
また、このプログラムではシャドーイングや音読といった基礎的な英語学習を通じて、IELTS対策にとどまらず真の英語力を向上させることに重点を置いています。
言い換えると、プログリットのIELTS対策コースを受講することで、実際に大学・大学院に留学してからも現地での生活や学校生活で困らない「本当に使える実践的な英語力」が身に付くということです。
興味がある方は、まずは60分間の無料カウンセリングを受けて、目標スコアを取得するために必要な勉強法や教材についてアドバイスをもらいましょう!
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プログリットでIELTSのスコアを上げて夢を実現した方の事例
下記は、プログリットのIELTS対策コースを受講してスコアアップを実現した方の事例です。
事例①英国の大学院でサッカーに特化したMBAを取得
リヴァプール大学の大学院のフットボール産業MBAコースに入学するために、IELTSのオーバーオールスコア6.5を取得する必要がありました。
これまでオンライン英会話や社内プログラムを通じて英語の勉強はしていたのですが、満足できるものではありませんでした。
プログリットのIELTS対策コースを通じて、留学前に目指していたスコアを取得できただけでなく、コース終了後の自学自習のためのノウハウも学べたので大満足です。
短期間で効率的にIELTSのスコアを伸ばしたい方におすすめします。
(S.M.氏)
事例②「成功は努力の積み重ね」。贈られたこの言葉を実感。
オーストラリアに留学するためにIELTSの点数を伸ばす必要がありました。
最初は独学で勉強していたのですが、限界を感じたのでプログリットのIELTS対策に申し込むことに。
コンサルタントの方との距離が近く、困ったことや質問したいことをすぐに聞ける環境が私に合っていたと思います。
勉強のモチベーションが下がってしまったこともありますが、コンサルタントの方が教えてくれた「成功とは朝に夜に繰り返される小さな努力の積み重ねだ。」という言葉を支えに乗り越えられました。
スピーキングについては4.0から5.5まで大きくスコアを伸ばせたので感謝しています。おかげさまで、現地のオーストラリア人が早口で喋っても理解することができました。
(N.I氏)
事例③多忙でも未来のため時間を投下し、目標の英国留学へ
イギリスの大学院留学を目指して独学でIELTS対策をしていたのですが、スコアが伸び悩んでしまったのでプログリットのIELTS対策コースを受講することになりました。
仕事とIELTS対策を両立させる必要があり大変でしたが、コンサルタントの方がシャドーイングやリスニングなどスキマ時間でサクッと勉強できる学習法を提案してくれたため、忙しい中でも毎日英語の勉強時間を確保できたのでよかったです。
最終的には、IELTSをハイスコアで安定させることもできました。
引き続きIELTSオーバーオールスコア7.0〜7.5が取得できるように、英語の勉強に励んでいきたいです。
(H.H.氏)
IELTSのスコアに関するFAQ
最後にIELTSのスコアに関するよくある質問と回答をご紹介します。
Q. 日本人がハイスコアを狙いにくいセクションは?
日本人がハイスコアを狙いにくいセクションは、ライティングとスピーキングです。
各セクションにおける2023〜2024年の平均スコアは5.7と5.5となっており、平均オーバーオールスコア5.9を下回っています。
これは、日本の英語教育がリスニングやリーディングに特化してきたからでしょう。
IELTS対策をする場合は、スピーキングとライティングを重点的に対策することをおすすめします。
Q. 日本人でもオーバーオールスコア9.0を狙える?
結論から申し上げると、ほぼ不可能に近いと言えます。
下表は、全ての日本人受験生のスコアの分布を表したものです。
IELTSのオーバーオールスコア | 受験者の割合 |
3.5以下 | 2% |
4.0 | 4% |
4.5 | 9% |
5.0 | 16% |
5.5 | 20% |
6.0 | 21% |
6.5 | 13% |
7.0 | 7% |
7.5 | 5% |
8.0 | 3% |
8.5 | 1% |
9.0 | 0% |
出典:IELTS “Test taker performance data 2023-2024”
2023から2024年にかけてIELTSを受験した日本人でオーバーオールスコア9.0を取得した受験者は皆無であることがうかがえますね。
そして、これは日本人だけに限ったことではありません。オーバーオールスコア9.0を取得した受験者がいるのはマレーシアと南アフリカだけとなっており、それぞれ全受験者の1%程度しかいませんでした。
この結果から、IELTSでオーバーオールスコア9.0を取得することがいかに難しいことであるかイメージできるでしょう。
Q. 初めてIELTSを受験する場合、どれくらいのスコアが取れる?
初めてIELTS受験をした際に取れるスコアについては、受験者の英語力によるため一概には言えませんが、高校卒業後もある程度英語の勉強を続けている人であれば4.0〜5.5程度のオーバーオールスコアを取得できるでしょう。
6.0以上のスコアを目指す場合は、IELTS特有の問題形式や採点方法を知って戦略的に対策する必要があります。
Q. 何回くらい受験すれば、目標スコアが取れる?
目標スコアを取得するために必要な受験回数は、受験者の英語力や必要なスコアによって異なるため一概には言えません。
しかし、前項でも説明したように6.0以上のスコアを目指す場合は、IELTS特有の問題形式や採点方法を知って戦略的に対策する必要があります。
また、IELTSの受験料は25,000円を超えるため、気軽に何回も受験できる試験であるとは言えません。
少ない回数で目標スコアを取れるようにしっかりと対策をしましょう。
Q. バンドスコアを0.5上げるのにどれくらいの勉強時間が必要?
IELSTのオーバーオールスコア0.5上げるのに必要な勉強時間は100〜300時間程度であると言われています。
この勉強時間の目安を参考にしながら、試験日までの勉強時間を逆算して学習計画を立てましょう。
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この記事ではIELTSのスコアとその評価基準について解説してきました。IELTSは、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を評価し、各セクション及びオーバーオールスコアが1〜9のバンドスコアで示されます。
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