スラングをご存知ですか? スラングとは地元に根ざした仲間内で通じる言葉のことです。イギリス英語はこのスラングが特に多く、英語を第一言語にするネイティブでも理解できないことがあります。この記事ではそんなイギリス英語のスラングを多数ご紹介していきます。
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厳選!イギリス英語の日常スラング
「英語のスラング」と聞くとつい汚い言葉を想像しがちですが、実はスラングとは地元に根ざした仲間内で通じる言葉のことを指します。イギリス英語にはこのスラングが沢山あり、英語がネイティブのはずのアメリカ人や、イギリス英語に比較的似ているオーストラリア英語を話すオーストラリア人も、「理解不能」とさじを投げるほどです。
スラングの多くは、ある地域の狭い場所で話されていた言葉、社会階級の中の小さなグループで話されていた言葉などが広がって、イギリス国内で認識されるようになったものです。この記事では、広くイギリスで使われる独特なスラングを、A to Zで例文と共にご紹介していきます。
イギリス英語のスラング:A-B
Bacon (ベイコン)
ベーコンはイングリッシュブレックファストに欠かせないアイテムのひとつ。そのイギリス人のベーコン愛を示すような表現がこれです。「bring home the」というフレーズを前につけて「(定期的に)お金を稼ぐ」「成功する」のような意味で使われます。
Since I was offered the job, I can bring home the bacon.
仕事が内定したので、これでお金が稼げる。
(the) Bee’s knees(ビーズ ニーズ)
「素晴らしい」「最高」のような意味で使われます。元はアメリカ英語発祥のようですが、今ではアメリカでは使われなくなり、なぜかイギリス英語に残っている言葉です。
Tom’s speech today was the bee’s knees.
トムの今日のスピーチは最高だった。
Blinder (ブラインダー)
スポーツ中継やスポーツニュースなどでよく耳にする言葉です。スポーツに限らず演奏やテストなどのパフォーマンスを評価する時にも使えます。「大変すばらしくプレーした、結果を残した」のような意味になります。
Did you see his last goal of the game? He played a blinder there.
あの(サッカーの)試合の最後のゴールを見たかい?彼はあそこでミラクルプレーをした。
Bloke (ブローク)
「男の人」を指す言葉です。なぜかイギリス英語には男の人を表現するスラングが多く、他にも「chap、fellow、lad」などがあります。ティーンネイジャー世代以降の幅広い年齢層の男の人に使います。
Bob sounds like a nice bloke (chap、fellow、lad).
ボブはいい人そうだね。
Bloody (ブラディ)
イギリス英語のスラングといえばこれ!というくらい有名なスラングです。かの女王陛下もお使いになるという正統派のイギリス英語スラングで、「ものすごく」「とんでもない」のように強調したいときに使います。「very」の代わりといえるでしょう。肯定でも否定でも、自分の興奮度を伝える時に便利な言葉です。
I feel bloody awful.
なんだかものすごく気分がすぐれない。
The new Star Wars film was bloody good.
新しいスターウォーズ映画はとんでもなく良かった。
Bob’s your uncle (ボブズ ユア アンクル)
「あら不思議!」「ほら、なんと!」のような意味で、フランス語の「voila!」と同じように使われます。何らかのプロセスを順に説明し、最後の満足できる結果をいう前にこのフレーズを使います。
Download the application, first. Click the icon at the top right corner. Bob’s your uncle, you are in the system!
最初にアプリをダウンロードする。右端の角にあるアイコンをクリックする。で、ほらなんと!君はシステムに入っているじゃないか。
Brill (ブリル)
「Brilliant」を省略した言葉で、「素晴らしい」「最高」などのほめ言葉として使います。イギリス人は基本的にほめ言葉をよく使いますが、この「brilliant」もその一つ。長い言葉なので、よく使われているうちに省略されるようになりました。
His piano concerto was brill.
彼のピアノ協奏曲は素晴らしかった。
Brolly (ブロリー)
雨の多いイギリスに欠かせないアイテム、傘。その傘、「umbrella」をイギリス人が省略すると「brolly」になります。イギリス生活で覚えておいて損のない言葉の一つです。
It’s very wet outside. You should take your brolly.
外はすごい雨だよ。傘を持っていきなさい。
〇説明
「wet」は、イギリス英語で「雨」という意味でよく使われる言葉です。上記の文は「rain」を使って以下のようにも表現できます。
It’s raining heavily outside.
外は本当にすごい雨だよ。
イギリス英語のスラング:C-D
Cheers (チアーズ)
元々は「乾杯」の意味ですが、イギリスでは軽い「ありがとう」の意味でも使われます。
A: Can you pass me the salt?
B: Here you are.
A: Cheers.
A: 塩、取ってくれる?
B: はい、どうぞ。
A: ありがとう。
Cheeky (チーキー)
日本語で言えば「いたずらな」のような意味になります。特に悪い意味ではなく、両親が子供に対して愛情をこめて「このいたずらっ子」のように呼びかける時に使ったり、誰かのユーモアあふれるいたずらな行動を指したりする時にも使います。いたずらなサルのような行動を指すので、「Cheeky Monkey」という表現もよく聞かれます。
A: How’s your son doing recently?
B: Oh, he is behaving like a cheeky monkey.
A: あなたの息子さんは最近どう?
B: ああ、彼ってばいたずら小僧だよ。
(my) Cup of tea (カップ オブ ティー)
イギリスといえば紅茶。「イギリス人の血には紅茶が流れている」と言われるほどのこの国で、紅茶にちなんだスラングがない訳はありません。「Cup of tea」は一見、ただの紅茶を表す言葉ですが、「タイプだ」「好みだ」という意味のスラングとしても使われます。また誰かの好みを指す時にも使えます。
A: Why don’t you try this dress?
B: Ah, it’s not my cup of tea.
A: このドレス、試着してみたら?
B: あー、それって私の趣味じゃないわ。
Cuppa (カッパ)
こちらは「cup of tea」を短くしたスラング。言葉通り「紅茶」を意味します。同じように「ビールなどの発酵」や「お茶を蒸らす」などを意味する「brew」も紅茶の意味で使われます。
Would you like to have a cuppa (brew)?
お茶(紅茶)はいかが?
Do (ドゥ)
動詞「do」を名詞として使って、「xx会」のようなお祭り的会合のことを表します。代表的なのは、結婚式の前に新婦の友人たちが集まって独身最後の日や夜を楽しむ「hen do」。アメリカ英語で言うと「party」や「baby shower」の「shower」がニュアンス的に近いでしょう。
Please join us the Pam’s retirement do tomorrow.
明日のパㇺの引退送別会にぜひ参加してね。
Dodgy (ドジィー)
「なんだかおかしい」「少し常識やルールから外れている」のような意味で使われる言葉です。人の行動、もの、食べ物などいろいろな「少し変なもの」「怪しげなもの」を表す時に使えます。
I feel sick. I might have had some dodgy food yesterday.
なんだか気持ち悪い。昨日、なんか変なものを食べたに違いない。
My brother works for a dodgy company.
私の兄は怪しげな会社で働いている。
イギリス英語のスラング:F-G
Fortnight (フォートナイト)
この一語で「2週間」の意味になります。若い世代はあまり使いませんが、ある程度の年齢になるとなぜかよく使う言葉です。
A: When did you come back from your holiday?
B: It’s about fortnight ago.
A: いつ休暇から帰ってきたの?
B: 2週間くらい前だよ。
Gobsmacked (ゴブスマックド)
ものすごく驚いた時に使う言葉です。「Gob」とはやはりスラングで「あご」のこと。「smack」は唇などを開けるときに大きく音を立てる行動を意味します。「大変驚きすぎて大きく音を立てて口を開けてしまった」のような感じでしょうか。何かに「驚かされた」ので、受動態になります。
Peter was awarded the researcher’s prize. It’s brill. I am gobsmacked!
ピーターが研究者賞を受賞したんだよ。すごいね。ものすごく驚いたよ。
Gutted (ガッティド)
何かにものすごく失望した時に使う言葉で、「ものすごく残念だ」「大変失望した」のような意味になります。何かに「失望させられた」ので、受動態にして使います。「ガ」にアクセントを置いて発音します。
The English (football) squad lost again! I was absolutely gutted.
(サッカーの)イングランドチームはまた負けた!ものすごく失望した。
〇説明
「squad」は「xx隊」のような意味で、「何かを成し遂げるために結成されたグループ」を意味し、イギリスのスポーツニュースなどでよく聞かれる言葉です。イギリスを代表するスポーツといえばフットボール(サッカー)ですが、イングランド代表チームを表す時によく使われます。
イギリス英語のスラング:K-N
Knackered (ナッケド)
「疲れる」を表すイギリスのスラングで、子供からシルバー世代まで使われています。最初の「ナ」にアクセントを置いて発音し、Kは発音しません。「疲れる」を意味する「tired」と同じように、自分が疲れている時は受動態にします。
I am extremely knackered after all day work.
一日中働いて、ものすごく疲れている。
You look very knackered.
あなた、すごく疲れているように見えるよ。
Lovely (ラブリー)
元々は「可愛らしい」という意味の言葉ですが、イギリス英語では「OK」「nice」など同意や了解の意味でも使われるスラングになります。男性、女性問わず使います。もちろん「可愛らしい」の意味でも使います。
A: Would you like some tea?
B: It would be lovely. Thank you.
A: お茶でもいかがですか?
B: それは良いですね。ありがとう。
Mate (メイト)
アパートの同居人を「flat mate」と呼びますが、その「mate」は「仲間」「友達」の意味になります。イギリス英語では、主に男の人同志が互いに呼びかける時のスラングとして使います。親しみを込めた呼びかけなので、特に単語に意味はありません。アメリカ英語で仲間を呼んだりするときに使うスラングの「man」や「dude」のイギリス版です。
A: I booked the hotel for tomorrow for you.
B: Cheers, mate.
A:あのホテル、明日予約しておいたよ。
B:ありがとう。
Nick (ニック)
「盗む」の意味で使われるスラングです。「Nick」はもともと「監獄、刑務所」を示すスラングで、そこからこの言葉が広まったと言われています。Be動詞+nickedで「盗まれた」と受動態の形でも使えます。
Did you nick my pen?
私のペンを盗んだでしょ?
イギリス英語のスラング:P-Q
Pear-shaped (ペアシェイプド)
「状態や行動が段々トラブル含みになる」「なんだか上手くいかない状態になる」という時に使う言葉です。
My relationship with my wife becomes a bit pear-shaped.
妻との関係が少し上手くいかなくなりつつある。
Posh (ポッシュ)
イギリスのガールズバンドの先駆けスパイスガールズの中にいた「ポッシュスパイス」ことビクトリア・ベッカム。このバンドと彼女の人気のおかげで、世界中にイギリスのスラング「posh」は広まりました。意味は「エレガントな」「上流階級的な」「クラシカルな」のようなニュアンスです。
She speaks English with posh accent.
彼女は上流階級的なアクセントで英語を話す。
I don’t like these shoes. They are too posh for me.
この靴は好きじゃないわ。私にはエレガントすぎる。
Quid (クウィッド)
イギリスの通貨「ポンド」をスラングにすると「quid」になります。ここから「quids in」という表現もあり、こちらは「大儲け」のような意味になります。「ウィ」にアクセントを置いて発音します。
Do you have 5 quid?
5ポンド持ってる?
If the project works as planned, Mr Smith will be quids in.
もしもプロジェクトが予定通りにいけば、スミス氏は大儲けだ。
イギリス英語のスラング:S-T
Shambles (シャンブルズ)
もともと食肉のための「屠殺場」を表すこの恐ろし気な言葉は、イギリススラングでは「収拾不可能なほどバラバラになった状態」「どこから手を付ければいいかわからないほどの状態」を表します。日本でいう「ゴミ屋敷」のような状態といえます。
What’s happened to our project? This is a bloody shambles!
我々のプロジェクトはどうなったんだ?これじゃ全く収拾不可能じゃないか!
Smashing (スマッシング)
「最高」や「素晴らしい」の意味のスラングで、肯定的に同意を表す時にも使えます。「マ」にアクセントを置いて発音します。
A: Shall we go to the pub after work?
B: Smashing!
A: 仕事の後でパブに行かない?
B: いいね!
Star (スター)
言葉通り夜空に輝く星を表す言葉ですが、その輝くところをとって、イギリススラングでは「あなたってすごい」「君って最高」のようなニュアンスで相手を褒めるときに使います。
A: I handed over your project proposal to Mr Wright.
B: Thank you. You are a star!
A: 君のプロジェクト提案書、ライトさんに提出しておいたよ。
B: ありがとう。君って最高!
Ta (タァ)
主にイギリス北部周辺で聞かれるスラングです。「Thank you」の省略形で「ありがとう」の意味です。
A: Can I have a cup cake?
B: Here you are.
A: Ta.
A: カップケーキ一つください。
B: はいどうぞ。
A: ありがとう。
Touch wood (タッチ ウッド)
日本でも「良いことが続くと、次に悪いことが起こる」と信じられているように、英語圏でも同じ迷信があります。そんな時、木に触ると悪いことが起こるのを防げるという言い伝えから、「幸せが続きますように」のようなニュアンスで「touch wood」という言葉が使われます。アメリカ英語では「knock on wood」と言います。この言葉と同時に、または続けて机や木製製品に触ると、言葉を使いこなしているように見えますよ。
I have been so happy recently: I got a job, my son passed the exam, and my mum was discharged from the hospital, touch wood!
最近すごく幸せ―仕事に就いたし、息子は試験に受かったし、母は退院したし、この幸せが続きますように!
スラングを駆使してイギリス英語の達人に
いかがでしたか?今回ご紹介したのは、本当によくイギリス人の会話の中で聞かれるスラングの、ほんの一部です。まだまだご紹介しきれないイギリス英語スラングはたくさんありますが、まずは今回ご紹介した基本的でよく使われるイギリススラングを使いこなして、イギリス英語の達人を目指してみてください。