英語の学会発表は、発表の内容はもちろんですが「英語で発表がうまくいくか」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、自己紹介から質疑応答までそれぞれの場面において、ネイティブが使う言い回しを発表の場面ごとに紹介します。
使い方のポイントもご紹介しているので、初めての発表でも安心です。
この記事を読んで事前準備をしっかりとしておいて、本番では焦ることなく落ち着いて発表にのぞみましょう。
「英語の学会発表、もっと堂々と自信を持ってできたら…」と思ったことはありませんか?
専門的な内容を英語でわかりやすく伝えるのは簡単ではありませんよね。
「原稿を読んでいるだけ」「質疑応答が不安」など、悩みを抱える方も多いはずです。
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英語の学会発表の流れ
英語のプレゼンが行われる学会では、テーマが近いプレゼンを「セッション」としてまとめてプログラムが構成されます。それぞれのセッションには、「座長」と呼ばれる司会進行役が選定されており、座長がセッションの進行と取りまとめを行います。
英語の学会発表におけるプレゼンの流れ
先ほど紹介したように、学会ではテーマが近いプレゼンを「セッション」としてまとめて構成されます。
受付・オープニングの後に各セッションで発表・質疑応答が行われるのが基本的な流れです。
またそれぞれのプレゼンテーションの基本的な流れは以下の通りです。
- 自己紹介
- 本研究 / 発表概要の説明
- 研究分野のバックグラウンドの説明
- 本研究の目的
- どのような研究方法を用いたのかを説明
- 結果と考察
- 結論
- 質疑応答
この流れを見ると、まず「自己紹介」から始めて、研究の発表を行って最後に結論となっています。
このような発表の場では、「オープニング (Opening)」「本題(Body)」「結論(Closing)」の構成を意識しながら進めることがとても重要です。
それぞれでどういった言い回しや伝え方があるのか、紹介していきます。
プレゼンやスライドでの言い回し①自己紹介やイントロダクション
では早速、プレゼンやスライドで使える言い回しを紹介します。
自己紹介やイントロは、その発表の印象を大きく左右する大切なパートです。
発表に合った適切な表現で始めて、良い流れを作りましょう。
座長への感謝を示すフレーズ
学会発表では、通常、座長による発表者の紹介から始まります。
下記の流れで進めることが一般的です。
- 発表タイトル
- 所属機関
- 発表者名
- 発表者への発言の促し
発表の冒頭では、簡潔に座長への謝意を一言述べるようにしましょう。
以下のような表現が一般的です。
英文:Thank you for that introduction, Professor [氏名].
和訳:[氏名]教授、ご紹介いただきありがとうございます。
英文:I appreciate your kind introduction, Chair.
和訳:座長、丁寧にご紹介いただきありがとうございます。
英文:Many thanks for the introduction.
和訳:ご紹介いただきどうもありがとうございます。
英文:I’m grateful for your introduction, Professor [氏名].
和訳:[氏名]教授、ご紹介いただき感謝いたします。
英文:Thank you, Chairperson, for getting us started.
和訳:座長、開始にあたってのご挨拶ありがとうございます。
自己紹介に使えるフレーズ
自己紹介で使える表現をいくつかご紹介します。
英文:My name is ○○○○.
和訳:私の名前は〜です。
英文:I am responsible for marketing for ◯◯◯ Inc.
和訳:私は〜社のマーケティング責任者です。
英文:I am in charge of public relation team at ◯◯◯ Inc.
和訳:私は〜社で広報をしています。
英文:I am the sales manager at ◯◯◯ Inc.
和訳:私は〜社の営業部長です。
自分がどういう仕事をしているのか/どういう研究をしているのかを簡単に加えて話すと、相手に印象付けしやすくなります。
発表の機会に感謝するフレーズ
続いて、発表できる機会や座長に対して、感謝を表す表現をいくつか紹介します。
英文:I would like to express my sincere gratitude to the chair for the opportunity to present today.
和訳:本日の発表の機会をいただいたことに対し、座長に心から感謝申し上げます。
プレゼンテーションの始めにこのフレーズを口頭で使うことで、座長への敬意と感謝を伝えることができます。
親しい場やカジュアルな雰囲気の場合は、もう少しやわらかい表現に変えることも良いでしょう。
英文:I appreciate the chance to present at this prestigious conference.
和訳:この名誉ある会議で発表の機会をいただき、感謝いたします。
学会の名声を認めつつ、自分の発表の機会をありがたく感じていることを伝えます。
学会が特に著名である場合に効果的ですが、場合によっては「prestigious(名誉ある)」という表現が過度に聞こえることもあります。
英文:Thank you to the organizing committee for providing this platform to discuss our work.
和訳:私たちの研究を議論するためのこの場を設けてくださったことに、運営委員会の皆様に感謝いたします。
学会の運営委員会に対して感謝を表すことで、学会全体への感謝と尊重を伝えることができます。
運営委員会や主催者が明確である場合に使いましょう。
また感謝を示す表現をスライドに載せたい場合は、以下のようなシンプルな表現が適しています。
英文:Thank you to the organizing committee and the chair for this opportunity.
和訳:この機会をいただき、運営委員会と座長に感謝いたします。
英文:Special thanks to everyone who supported this research.
和訳:この研究を支えてくださった皆様に特別な感謝を申し上げます。
上記の2つの表現に関しては、スライドの最後に載せましょう。
簡潔でフォーマルな表現を使うようにしてください。
発表の概要について紹介するフレーズ
英文:There are three topics I would like to cover today.
和訳:今日お話したいトピックは3つです。
英文:Firstly, 〜. Secondly, 〜. Finally, 〜.
和訳:始めに〜。2つ目は〜。最後は〜。
英文:I’ve divided my talk into three parts: the~, the~, and the~.
和訳:私の話は3つのパートに分かれています。〜と、〜と、〜です。
上記のように、プレゼンの内容を分割して話すと相手に伝わりやすいです。
英文:Let me show you the outline of my presentation.
和訳:プレゼンの概要をお話します。
研究の目的を紹介するフレーズ
研究がどういう目的で行われたものなのかを、聴衆に対して明確にした上で発表を始めると効果的です。その際に、「I’d like to~」のような丁寧な表現を使うとさらに効果的です。
英文:Today, I’d like to talk to you about 〜.
和訳:本日、私は〜について話します。
英文:The purpose of this presentation is 〜.
和訳:このプレゼンの目的は〜です。
英文:My goal is ~.
和訳:私の目的は〜です。
プレゼンやスライドでの言い回し②本論の伝え方
では次に、本論を述べるときに使用できるフレーズを紹介します。
同じ表現を何度も使うのではなく、状況によって使い分けてみてくださいね。
重要部分を強調するためのフレーズ
プレゼンテーション上で、重要な部分を強調したいときに使う表現を紹介します。
英文:I’d like to emphasize…in here
和訳:ここで強調したいのは…です。
特定のポイントや概念を強調したいときに使います。
使いすぎるとどのポイントが本当に重要なのかがわからなくなる可能性があります。
使いすぎないように注意しましょう。
英文:Let me highlight…
和訳:…を強調させてください。
「highlight」という表現は視覚的なポイントを連想させるため、スライドやビジュアルと合わせて使うと効果的です。
英文:What I want to underline is…
和訳:私が強調したいのは…です。
これはやや強調の度合いが強いため、意図的に強く伝えたい内容に限定して使用すると効果的です。
言い換えのフレーズ
続いて言い換えの表現です。
強調したい表現や抽象的な表現を言い換える時に使いましょう。
英文:In other words…
和訳:言い換えると…
すでに述べた内容を異なる言い方でくり返し、聞き手の理解を深めたいときに使います。
新しい視点やシンプルな表現を加えるようにしましょう。
英文:That is to say…
和訳:つまり…
正確さを期すためや誤解を避けるため、また特定のポイントをより明確にする際に使いましょう。
ややフォーマルな表現なので、カジュアルなプレゼンテーションには適さないことがあります。
英文:To put it another way…
和訳:別の言い方をすると…
ある概念や事実を別の視点から説明したいときに使います。
聴衆が最初の説明で完全に理解できず、異なる方法で説明する必要がある場面で役立ちます。
あまり多用せず、重要なポイントに絞って使用しましょう。
調査結果を引用するフレーズ
調査結果を引用する際には、どのデータから引用したものなのかを明示する必要があります。「according to ~」という表現は、引用の際に使える言葉です。この言葉は、発表の際だけではなく、論文等を執筆する際にも利用できます。
英文:According to a government survey,
和訳:政府の調査結果によると~。
英文:According to a questionnaire,
和訳:アンケート調査の結果によると~。
英文:According to previous surveys,
和訳:これまでの調査結果によると~。
グラフを紹介する際のフレーズ
発表の際にグラフを使うことで、より聞き手にわかりやすく視覚的に伝えることができます。
そこで役に立つ表現を知っておきましょう。
英文:Now I’d like to show you the data from our recent study.
和訳:それでは、最近の研究から得られたデータをお見せします。
新しい発見や重要なデータを強調したい場合に適しています。
データを視覚的にわかりやすく提示するように心がけましょう。
英文:In the next slide, I’ll introduce data from our recent study.
和訳:次のスライドで、最近の研究から得られたデータをご紹介します。
スライドが変わるタイミングで聞き手の注意を引きたい場合に有効です。
英文:In the next slide, I’ll summarize data from our experiments.
和訳:次のスライドで、実験から得られたデータをまとめてお見せします。
実験結果の要点や重要なデータをまとめて提示する前に使いましょう。
データを「まとめる」ことを予告しているため、スライドの内容は簡潔かつ明確に整理されていることが重要です。
英文:In the next few slides, I’ll be showing you some new data.
和訳:次の数枚のスライドで、新しいデータをお見せします。
データの紹介が続くことを伝えることで、聞き手に集中してもらいやすくなります。
またグラフを紹介するとき、特に図を説明するときの英語表現をいくつかまとめます。
- 円グラフ→ pie chart
- 棒グラフ→ bar chart
- 折れ線グラフ→ line chart
こちらも参考にしてくださいね。
グラフの重要な点を指摘するフレーズ
グラフの中でも特に重要な点を強調したいときには、以下のような表現を使いましょう。
英文:I’d like to draw your attention to…
和訳:…に注目していただきたいのですが。
グラフやデータの特定の部分で、聞き手の注意を引きたいときに使いましょう。
視覚的な指示(レーザーポインターやアニメーションなど)を使うとより効果的です。
英文:The important point here is…
和訳:ここで重要なのは…です。
この表現では全体像を忘れずに説明しつつ、重要点を明確に強調するようにしましょう。
英文:What is interesting here is…
和訳:ここで興味深いのは…です。
グラフやデータの中で予想外の結果など、聞き手にとって興味深いポイントを強調したいときに使います。
特に新しい発見や、意外性のある結果を共有する際に有効です。
英文:You will notice that…
和訳:ご覧のとおり、…にお気づきかと思います。
視覚的なデータを使いながらなぜその点が重要なのかを説明すると、観衆の理解が深まります。
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プレゼンやスライドでの言い回し③発表の締め
学会発表の締めでは、まず要点を簡潔にまとめて伝えましょう。
また今後の展望や、研究の重要性を強調することも重要です。
参加者に感謝の意を示し、質問や意見を歓迎する姿勢で終えることで、発表全体が印象深いものになります。
結論を示すフレーズ
結論を表す表現として、「summerize」という言葉が便利です。
英文:Let me summarize the point of our presentation.
和訳:これまで話してきた内容をまとめていきます。
英文:Let me summarize the point of my presentation and make a suggestion.
和訳:ここまで説明してきた内容をまとめ、提言をしていきたいと思います。
上記の2つは、よりカジュアルで、聴衆に語りかけるようなニュアンスがあります。「では、これまでの話をまとめましょう」といった、少し柔らかな印象を与えます。
英文:I would like to summarize the key points of today’s talk.
和訳:本日の重要なポイントをまとめます。
よりフォーマルで、自分の意図を明確に伝えるようなニュアンスがあります。「ここで、これまでの話をまとめたいと思います」といった、少しフォーマルな印象を与えます。
お礼を示すフレーズ
お礼を表す表現は下記のとおりですが、状況によって使い分けることができるとより効果的です。
英文:I would like to close our presentation.
和訳:これで発表を終了いたします。
上記は、より簡潔に発表を終わらせたい場合に適しています。
英文:Thank you so much for taking the time to join today.
和訳:本日はご参加いただき誠にありがとうございました。
聴衆への感謝の気持ちを特に伝えたい場合に適しています。
プレゼンやスライドでの言い回し④質疑応答
ここからは質疑応答についてです。
まずは質疑応答のテクニックをいくつか紹介しますね。
- 質問をできる限り予想をしておく
- 質問の内容が理解できなかった/聞こえなかった場合は遠慮なく聞き直す
- 質問を要約して確認する
- 回答に自信がない場合は正直に伝える
- 質問に対して感謝の意を表す
こういった対応が考えられます。
突然の質問であっても、焦らず冷静に対応することを心がけましょう。
質問を聞き直すフレーズ
質問があやふやだったり、英語が聞き取れないことはよくあります。
焦らずに聞き返すことで、余裕が生まれます。
英文:Excuse me, I didn’t catch your question.
和訳:すみません、質問が聞き取れませんでした。
質問が小声だったり、ノイズのために聞き取れなかった場合に使います。
音声が明瞭でなかったり、質問者が遠くに座っていて声が届きにくい場面でも有効です。
英文:Could you repeat that, please?
和訳:もう一度繰り返していただけますか?
質問の一部が聞き取れなかったり、質問全体をもう一度聞きたい場合に使いましょう。
質問が複雑で一度で理解できなかった場合にも適しています。
英文:Excuse me, do you mean…?
和訳:すみませんが、…という意味ですか?
質問の意味や意図を自分なりに解釈した後、それが正しいか確認したいときに使います。
質問が曖昧だったり、複数の解釈が可能な場合に効果的です。
英文:Is your question about…?
和訳:あなたの質問は…に関するものですか?
質問が具体的に何についてかを確認したいときに使いましょう。
質問の回答が相手の意図に沿っているか聞くフレーズ
質問に回答しても、それが相手の望む答えになっているのか気になることもあるかと思います。
そのような時は以下のような表現を使って、確認してみましょう。
英文:Does that answer your question adequately?
和訳:その回答で質問に十分お答えできましたでしょうか。
質問が複雑だったり、詳細な説明が必要だった場合に効果的です。
英文:Have I covered everything you wanted to know?
和訳:全てのご質問にお答えできましたでしょうか。
複数の質問に答えた後や、プレゼンテーションの終わりに、相手が知りたかったことをすべて網羅したかどうかを確認したいときに使います。
相手が質問を忘れていたり、新たな質問が浮かんだりする場合があるので、このフレーズを知っていると役立ちますね。
英文:Is that clear or would you like me to elaborate further?
和訳:理解していただけましたか。それともさらに詳しい説明が必要ですか。
説明や回答を行った後、相手が内容を理解できたかどうかを確認するときに使いましょう。
場合によってはさらに説明も必要です。
英文:Is there anything else you would like me to clarify?
和訳:他に何か、説明して欲しい点がありますか。
相手がまだ不明な点があるかどうかを確認するときに役立つ表現です。
質問に答えられない時のフレーズ
質問に答えられないことも考えられます。
知ったかぶりや適当な回答でやり過ごすのではなく、答えられない理由をはっきりと伝えましょう。
英文:I’m afraid I can’t answer that. The data is not available yet.
和訳:申し訳ありませんが、その質問にはお答えできません。データがまだそろっていません。
進行中の研究やプロジェクトに関する質問に対して有効です。
回答ができない理由を明確にしているので、観衆も納得しやすいですね。
英文:I’m sorry, but it’s not possible to give you that information yet.
和訳:申し訳ありませんが、その情報をまだ提供することはできません。
未発表の研究結果や非公開のデータに関する質問に対して使いましょう。
また、いつ提供できるようになるかも示しておくと親切ですね。
英文:Unfortunately, we have no results for that.
和訳:残念ながら、その件についてはまだ結果が出ていません。
実験や調査が進行中のケースに適しています。
あまりにもあいまいな回答は避け、結果がでるタイミングについての情報もあるといいでしょう。
質疑応答の最後のフレーズ
質疑応答の時間をいつまでもとるわけにはいきません。
最後に終わりの表現を入れることで、きちんと区切りをつけましょう。
英文:I think we’ll end the Q and A session here.
和訳:ここで質疑応答の時間を終了します。
質疑応答セッションを終わりにしたいときに使います。
特に時間が限られている場合や、十分な質問が出たと感じた場合に効果的です。
英文:If there are no more questions, we can conclude the Q and A.
和訳:他に質問がなければ、質疑応答を終了します。
質問が一通り出尽くしたと感じたときに使います。
それでも質問が続く場合は、どこかで区切る必要がありますね。
英文:If you have any further questions, feel free to reach out afterward.
和訳:もし他にご質問があれば、後でお気軽にお問い合わせください。
質問がたくさん出たにも関わらず終了時刻となり、やむを得ず質疑応答の時間を終了する場合には、このフレーズを使うのがおすすめです。
英語の学会発表を乗り切るために必要なこと
英語の学会発表で使える表現を紹介しました。
ここからは学会発表を乗り切るために必要な心構えを紹介します。
使える表現と一緒に参考にして、学会発表に役立ててください。
落ち着いて話す
発表中に落ち着いて話すことは、メッセージを効果的に伝えるために非常に重要です。
緊張すると話が早くなり、聞き手が理解しにくくなることがあります。
そうなると相手の集中が途切れてしまうかもしれません。
落ち着きを保つためには、ゆっくりはっきりと話すことに集中しましょう。
事前に練習することで自信がついて、落ち着いて話すことにつながります。
原稿やスライドを作成する
英語での学会発表を成功させるためには、スライドや原稿をしっかりと用意しておくことが重要です。
まずは視覚的に分かりやすいスライドを作成し、聞き手にメッセージが伝わりやすいように工夫しましょう。
特に英語に不慣れな場合は、発表内容をしっかりと伝えるために原稿を準備することをおすすめします。
英語の発表では、日本語での発表以上に入念な準備が求められます。
落ち着いて本番を迎えるためにも、事前にスライドや原稿を作ってしっかり対策をしておきましょう。
また関連記事として、こちらも参考にしてください。

文法や発音を気にしない
英語の文法や発音を気にしすぎないように注意しましょう。
完ぺきを目指すあまりに、声が小さくなってしまったり、笑顔が失われることもあります。
その結果、発表内容を十分に伝えきれないかもしれません。
多少の文法ミスや発音の違いは、聞き手が内容を理解する上で大きな障害にはなりません。
そもそも聴衆は、あなたのメッセージを聞きに来ているのであって、文法や発音を評価するために来ているわけではありませんよね。
それよりもプレゼンテーションの内容に集中し、自信を持って話すことが重要です。
相手の質問の意味や意図が理解できない場合は聞き返す
学会発表での質疑応答時、相手の質問を完全に理解できないことは珍しくありません。
そのような状況では、恥ずかしがらずに質問の意図を確認することが重要です。
特に多国籍の参加者が集まる学会発表では、専門用語や話者のアクセントによって聞き取りが難しい場合があります。
質問の内容を明確にすることは、より正確で適切な回答につながります。
“Could you please rephrase your question?”や“If I understand correctly, you’re asking about…”といった表現を使って、丁寧に確認しましょう。
このような対応は、むしろプロフェッショナルな姿勢として好印象を与えることにもなります。
【期間別】英語が話せない人必見!学会発表までに英語を話せるようにするための対策
英語を使った学会発表を成功させるためには、計画的に準備することが大切です。
下記のように、タイムラインに沿って対策を行いましょう。
期間 | 対策 |
---|---|
12〜10ヶ月前 | 自分の専門分野で頻出の英単語やフレーズを覚える |
10〜8ヶ月前 | シャドーイングを通じてリスニング力を高める |
8〜6ヶ月前 | 多読や瞬間英作文を通じて英語がスムーズに口から出てくるようにする |
6〜3ヶ月前 | プレゼンテーション資料や原稿を作成してネイティブチェックを受ける |
3〜2ヶ月前 | 発表原稿を暗記する |
2〜1ヶ月前 | 人前で発表の練習をする |
1ヶ月前〜直前 | 質疑応答の想定問答集を作成する |
それぞれ詳しく説明していきます。
【12〜10ヶ月前】自分の専門分野で頻出の英単語やフレーズを覚える
最初のステップとして、自分の専門分野でよく使われる英語を習得することが大切です。
特に単語については、日本語の意味だけでなく、発音も含めて覚えることを意識しましょう。
国際学会ではプレゼンや質疑応答が口頭で行われるため、単語を正しく聞き取り、発音できるスキルが求められます。
研究者を目指す人は、日頃から英語の学術論文を読むことが多いと思いますが、論文で使われる表現と発表やディスカッションで使われる口語的な表現には大きな違いがあります。
そのため、論文から語彙を学ぶのは最初のうちは役立つものの、効率的とは言えません。
発表やディスカッションで使われる口語表現を効率的に習得するには、下記に参加することがおすすめです。
- 留学生のプレゼンテーション
- 英語で行われるセミナー
- 英語発表が求められる国内学会
これらの場で発表内容を理解しつつ、「このフレーズは実用的だ」「この表現は使えそうだ」と感じた言い回しをメモに書き留め、継続してストックしていくと効果的です。
【10〜8ヶ月前】シャドーイングを通じてリスニング力を高める
リスニング力の向上は、特に国際学会における重要な質疑応答の場面で大きな助けとなります。
質疑応答では予測できない質問に素早く対応する必要があるため、音声を正確に聞き取るスキルが欠かせません。
そのため、学会直前までリスニング対策を継続しましょう。
リスニング力を強化するには、シャドーイングの活用がおすすめです。
シャドーイングは英語の音声を聞きながらほぼ同時に発話を真似する学習法で、音声知覚を鍛えるのに非常に効果的です。
この練習により、英語の音を正確に聞き取ってそれを瞬時に理解する力が養われ、円滑なコミュニケーションにつながります。
シャドーイングを通じて音声知覚を鍛えるトレーニングを日々継続することが、想定外の質問への対応力を高める鍵となります。
以下の記事では、効果的なシャドーイングのやり方について紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
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【8〜6ヶ月前】多読や瞬間英作文を通じて英語がスムーズに口から出てくるようにする
英語をスムーズに話せるようになるには、瞬時に文法や単語、英文パターンを引き出せる力を身につけることが重要です。
そのためには、多読や瞬間英作文のトレーニングを取り入れましょう。
多読では、豊富な英文に触れることで表現の幅が広がり、自然な言い回しや文法の使い方が身につきます。
特に、自分の専門分野や興味のあるトピックを題材にした読み物を選ぶと実際の会話や発表にも役立つ知識が得られるため、一石二鳥です。
瞬間英作文では、日本語を見た瞬間に英語で文章を作る練習を繰り返します。
この方法により、英語の文章構造や文法パターンが体に染み込み、会話の場面で迷わず発話できるようになります。
これらの練習を継続することで、英語の反射的なアウトプット力が向上し、学会発表における質疑応答やディスカッションでも落ち着いて対応できる力がついていきます。
短時間でもいいので、毎日コツコツ取り組むことが成功への近道です。
以下の記事では、瞬間英作文のやり方について詳しく説明しています。
ぜひ参考にしてください。
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【6〜3ヶ月前】プレゼンテーション資料や原稿を作成してネイティブチェックを受ける
次のステップは、自分の研究を英語で発表するための原稿作りです。
研究内容を熟知している分、構成や流れを組み立てやすいでしょう。
今後英語発表の機会が増えることを考えると、早めの準備が大きなアドバンテージになります。
原稿作成では最初は文法の細かい部分にこだわらず、シンプルで覚えやすい表現を活用することを心がけましょう。
作成後はネイティブスピーカーにチェックを依頼します。
専門性の高い内容であっても、伝わりやすく英語として自然な表現に仕上げるためには、ネイティブの視点が不可欠です。
周りにネイティブの教授や先輩がいれば、勇気を出して添削を頼んでみましょう。
身近にネイティブがいない場合は、専門の添削サービスを利用するのがおすすめです。
第三者の視点を取り入れて、わかりやすく洗練された原稿を完成させましょう。
【3〜2ヶ月前】発表原稿を暗記する
原稿が完成したら、次のステップは「正しい発音で原稿を暗記する」ことです。
繰り返し音読して内容を丸暗記することで、英単語やフレーズが自然と体に染み込み、スムーズに話せるようになります。
暗記を進める際は、発音の確認も忘れずに行いましょう。
正しい発音を身につけることは、英語を「伝える力」を磨くうえで非常に重要です。
暗記した内容を聞き取りやすい英語でプレゼンできれば、聴衆への説得力が高まるでしょう。
さらに、原稿を記憶しておくことで、オーディエンスと目線を合わせながら話す余裕が生まれます。
また、原稿に含まれる単語や表現は質疑応答でも役立つため、暗記する価値は大いにあります。
以下の記事では、英語の発音について詳しく説明しています。
発音に自信がないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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【2〜1ヶ月前】人前で発表の練習をする
原稿を覚えたら、実際に人前で発表の練習をしましょう。
できれば英語ができる人に聞いてもらい、発表内容や発音に関するフィードバックを受けると効果的です。
もし身近に英語話者がいない場合は、オンライン英語学習サービスを活用するのもおすすめです。
人前での練習を繰り返すことで、本番の緊張感を軽減できるだけでなく、自分では気づけなかった聞き取りづらい部分や伝わりにくい表現を改善する機会にもなります。
また、発音やイントネーションの修正ポイントが明確になるため、より完成度の高い学会発表が目指せます。
さらに、英語原稿をネイティブスピーカーに読んでもらい、その音声を録音して練習に取り入れる方法も効果的です。
録音を何度も聞いて声の抑揚やリズムを真似することで、より自然で聞き取りやすい発表ができるようになります。
オーディエンスに伝わる学会発表を目指し、練習を重ねて自信をつけましょう。
【1ヶ月前〜直前】質疑応答の想定問答集を作成する
学会発表直前になったら、質疑応答の想定回答集を作りましょう。
国際学会で最も難しいとされる質疑応答は、その場で質問を聞き取り、即座に的確な回答をする必要があるため、英語力の総合力が試されます。
緊張感の高い場面で冷静に対応するためには、事前準備が不可欠です。
英語原稿の内容から、発表に関連した質問をある程度予測することができます。
たとえば、下記はよく質問されるテーマです。
- 研究の背景や方法
- 結果の解釈
- 応用可能性
これらの想定問答をリストアップし、それぞれ簡潔でわかりやすい回答を英語で準備しましょう。
また、準備した回答は繰り返し練習し、スムーズに口に出せるようにします。
可能であればネイティブスピーカーや英語が堪能な人に質問役を頼み、模擬質疑応答を行うとさらに効果的です。
この練習により、本番での自信が高まり予期しない質問にも柔軟に対応できる力がついていきます。
英語の勉強がどうしても続かない方へ
多忙な日々を送る社会人にとって、長期にわたって1人でコツコツと英語の学習を進めることは容易なことではありません。
「どうしても1人で英語の勉強を続けていくのは難しい」
「数か月後に迫っている学会発表のために、英語力を高めなくてはいけないから悠長にシャドーイングや瞬間英作文のトレーニングをしている暇はない」
このような悩みをお持ちの方におすすめなのが、英語コーチングのプログリットです。
プログリットは、あなたの英語のレベルや目的に合わせて弱点の発見・カリキュラムの作成・日々の英語学習をサポートします。
また、カリキュラムは第二言語習得論と10,000人以上ものデータに基づいた科学的なアプローチに基づいて組み立てられていることが特徴です。
英語コーチングのプログリットであれば、英語学習に挫折することなく、短い期間で飛躍的に英語力を向上させられるでしょう。
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これで安心、英語の学会発表
英語の学会で使える表現や、発表時の心構えなどを紹介しました。
入念な事前準備をすることで、自信にもつながり、焦らずに本番を迎えることができます。
聞き手の立場に立ってみて、わかりやすい発表を目指しましょう。
紹介したような表現を参考にしながら、練習してみてくださいね。