不特定の名詞の前につける「a(an)」を不定冠詞、特定されている名詞の前につける「the」を定冠詞と言いますが、これら冠詞の使い分け方を明確に理解できていますか?この記事では、不定冠詞とは何なのかをはじめ、それぞれの冠詞の使い分け方について解説していきます。
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英語の不定冠詞を正しく使おう!
みなさんは英語の冠詞を正しく使い分けることができていますか?英語のネイティブスピーカーは特に意識することもなく使い分けている冠詞ですが、冠詞を付ける習慣がない日本人にとっては、その使い分けはなかなか難しいものです。
この記事では、不定冠詞をはじめ、定冠詞、無冠詞など英語の冠詞について詳しく解説していきます。
そもそも冠詞とは?
それぞれの冠詞についてご説明する前に、そもそも冠詞とは何なのかについてお話しておきます。
冠詞とは英語の限定詞の1つです。限定詞には、「a」「the」のような冠詞や、「this」「that」のような指示詞、「my」「 your」のような代名詞、「some」「any」のような数量詞などがあり、名詞の前に置いてその名詞が指すものをより明確にする働きをします。限定詞の1つである冠詞には3つの種類があり、それぞれ働きが全く異なります。
不定冠詞とは:その名詞が特定されないことを表す冠詞
定冠詞とは:その名詞が特定されることを表す冠詞
無冠詞とは:可算名詞の複数形、不可算名詞、固有名詞や代名詞などには冠詞がつかない
それでは、それぞれの冠詞について詳しくみていきましょう。
英語の不定冠詞とは?
冠詞の1つである不定冠詞とは、「不特定の1つ」を表す冠詞のことで、英語では「indefinite article」と言います。「a」や「an」がそれにあたりますが、意味としてはとても弱く、日本語に訳すときには省略されることが多いです。
不定冠詞「a」「an」の用法
不定冠詞「a」「an」は、特定されていない単数形の可算名詞(数えられる名詞)に付けます。
単数形の可算名詞は、基本的にそれだけでは意味を成さず、何かしらの冠詞がつくことでようやく完成した名詞になります。例えば「pen」は、それだけでは「ペンという用途を持った概念」が宙ぶらりんのようなイメージです。「a」を付けて「a pen」とすることで、ペンとしての1つの輪郭がようやく浮かび上がってきます。
「a」という意味を強調したいときには、「one」や「a certain」を使うこともあります。
不定冠詞「a」「an」の使い分け方
「a」と「an」の使い分け方は、名詞の最初の音が母音かどうかによります。名詞の最初の音が母音であれば「an」、それ以外であれば「a」です。スペルではなく音が母音かどうかで判断するのがポイントです。例えば、「hour」のスペルは子音「h」から始まっていますが音は母音であるため、「an hour」のように「an」を付けます。
不定冠詞と定冠詞の使い分け方
次に、不定冠詞と定冠詞の使い分け方についてご説明します。
英語の定冠詞とは?
定冠詞は、名詞が特定のもの(聞き手が特定できるもの)であることを表します。例えば以下の例文をみてください。
Is this the pen that you bought yesterday?
これはあなたが昨日買ったペンですか?
このように、どのペンの話をしているのか特定できている場合、「pen」には定冠詞「the」をつけます。「the」は可算名詞にも不可算名詞にも、単数形にも複数形にも使うことができます。
不定冠詞と定冠詞の違い
不定冠詞「a(an)」と定冠詞「the」の違いは、その名詞が特定されているかどうかです。名詞が特定されるケースは以下の4つです。
①1度会話(文章)内に出てきていている
There is a pen. The pen is new.
(1本)ペンがあります。そのペンは新しいです。
②会話(文章)内に直接出てきてはいないが、説明があることで特定されている
This is the bag which I bought yesterday.
これは昨日買ったバッグです。
③お互いに共通認識がある
We have to get a new bike at the bike shop.
その店で新しい自転車を買わなくちゃ。
④世界に1つしかないもの
the moon
the sun
the world
この4つのシチュエーションにおいては、不定冠詞「a(an)」ではなく定冠詞「the」を使うということを覚えておきましょう。その他に、楽器にも定冠詞「the」がつきます。
冠詞がつかないケース
名詞には、不定冠詞も定冠詞もつかないことがあります。これを無冠詞と言います。
英語の無冠詞とは?
無冠詞とは、「a(an)」も「the」もつかないことで、無冠詞になる名詞には、固有名詞・代名詞・可算名詞の複数形・不可算名詞などがあります。
無冠詞のケース①固有名詞・代名詞
人名や地名などの固有名詞、「I」「my」「me」「mine」などの代名詞は無冠詞です。ただしいつくか例外もあり、「Smith」に「the」と「s」をつけて「the Smiths(スミス一家)」と言うことや、「a」をつけて「a Smith(スミス家の一員)」と言うことはあります。
無冠詞のケース②可算名詞の複数形
可算名詞の複数形は無冠詞です。
Dogs bark.
犬は吠えます。
I like cats.
私は猫が好きです。
可算名詞の複数形が無冠詞のときは、一般的またはその概念全体について話してる文になります。定冠詞「the」を付けると、ニュアンスが随分変わります。
I like the dogs.
私はその犬たちが好きです。(限定された犬)
無冠詞のケース③不可算名詞
不可算名詞も無冠詞です。
Water boils at 100 degrees Celsius.
水は摂氏100度で沸騰します。
不可算名詞も、限定される時には定冠詞「the」をつけます。
She drinks the water which she buys online every morning.
彼女はオンラインで買う水を毎朝飲みます。
無冠詞のケース④無冠詞だと決まっている名詞
名詞の中には、無冠詞と決まっているものがあります。いくつか例をご紹介しておきます。
言語:English, Japanese, French
スポーツ:Soccer, Baseball, Basketball
学問:mathematics, philosophy, economics
役職:director, president, chief officer
食事:breakfast, lunch, dinner
機能に重きを置かれる場所・施設:hospital, school, church, home, bed
(場所とみなして使われる場合には冠詞がつきます。)
手段:car, bike, foot, fax, e-mail
(「by car」「by e-mail」などのように手段として使われるとき無冠詞になります。)
不定冠詞の使い方をもっと詳しく!
冠詞の使い分け方は分かりましたが、実際に文中で名詞を修飾するときにはどこに置けば良いのでしょうか?形容詞など名詞を修飾するものが他にもあったときの語順をみていきましょう。
語順
名詞を修飾するものが2つ以上あったとき、原則として冠詞は1番先頭に置かれます。
a very beautiful flower
(冠詞+副詞+形容詞+名詞)
ただし、例外もあります。
such a beautiful flower
half an hour
half a year
これらはよく使う形なので、覚えておきましょう。
英語の不定冠詞まとめ
この記事では、不定冠詞とは何なのかをはじめ、定冠詞との使い分け方や無冠詞についても解説してきましたが、いかがだったでしょうか?数えられる名詞、数えられない名詞、単数、複数などは、日本語ではあまり深く考えない概念だけあって、冠詞の使い分けは慣れるまで少し難しいかもしれませんが、一度感覚を掴んでしまえば簡単です。
是非たくさん練習してネイティブの感覚を掴んでください!
冠詞まとめ
- 不定冠詞「a(an)」:聞き手にとって「不特定の1つ」につける
- 定冠詞「the」:聞き手が「特定できるもの」につける
- 無冠詞:固有名詞・代名詞・可算名詞の複数形・不可算名詞など