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就職・転職が有利になるTOEICの点数は、600点?700点?800点?

就職や転職活動でTOEIC点数を企業に提出する際、実際どの程度の点数があれば有利に働くのかは気になりますよね。この記事では、就職・転職が有利になるTOEIC点数を始め、企業での英語の位置づけや、TOEICハイスコア取得で得られる具体的なメリットをご紹介します。

ハイスコア取得の具体的なメリットなどについてもご紹介していくので、是非ご覧ください。

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もくじ

就職・転職が有利になるTOEICの点数:①企業での英語の位置づけ

就職・転職に有利なTOEICの点数についてお話する前に、実際企業ではどのくらい英語が重要視されているのでしょうか?

日本でTOEIC Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(以下、IIBC)が行った、「英語活用実態調査 2019」(※)p.4-5を元に、企業内での英語の位置づけを見てみましょう。

※)TOEIC Programを活用している企業・団体における英語教育・英語活用の実態調査と、ビジネスパーソンの職場での英語に対する意識についての調査を行い、その調査結果を英語活用実態調査としてまとめたもの。企業・団体調査の調査対象は、2017年1月~2018年8月にTOEIC Programの公開テスト団体一括受験申込あるいは団体特別受験制度(IP:Institutional Program、以下IPテスト)を利用した2,442の企業・団体で、有効回答数は528。ビジネスパーソン調査の調査対象は、日経BPが運営する「日経ビジネス オンライン」の登録者(20~50歳代の有職者)で、有効回答数は466。

今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキル(複数回答)

(出典:「英語活用実態調査 2019」p.4-5、n=528)

今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキルは何かという質問に対して、企業の82.6%が「英語」を選択しています。

コミュニケーションスキルや問題解決力・実行力、リーダーシップ・組織マネジメント能力などを抜いて13項目中1位となっていることを考えると、企業において英語がどれだけ重要視されているかが分かりますね。

また、日本企業の海外進出は近年目覚ましいペースですすんでおり、今では全く海外とビジネス上のやり取りがない会社の方が珍しいくらいです。

そのため、英語を話せる人材は今後も企業から必要とされるとともに、企業がビジネスパーソンに求める英語力のレベルも上がっていくことが予想されます。

社員や職員に不足している・今後強化する必要がある知識やスキル(複数回答)

(出典:「英語活用実態調査 2019」p.4-5、n=528)

社員や職員に不足している・今後強化する必要がある知識やスキルは何かという質問についても、67.0%で「英語」が1位です。

多くの企業がビジネスにおいて英語を必要としているにもかかわらず、社員の英語力に満足している会社は少ないことがうかがえます。これは裏を返せば、ビジネスシーンで使える英語力を持っている人は、それだけで企業から高く評価されるということです。

こちらの質問では、「国際的なビジネス感覚」や「国際人としての知識・教養」の項目が上位にきているのも特徴的です。今後ますます国際化が進む中で、英語ができる人、国際的な感覚を持った人の需要が高まることが大いに予想されますね。

上記2つの結果より、英語は、今後のビジネスパーソンにとって重要であるが現状不足しており、企業が強化したいと考えているスキルである、と言えます。

就職・転職が有利になるTOEICの点数:②TOEICの活用状況

採用時だけでなく採用後も、社員の英語力を判断する指標としてTOEICを利用している企業は多いですが、実際TOEICの点数を社内でどのように活用しているのでしょうか?

ここでは、「英語活用実態調査 2019」p.12を元に、企業・団体におけるTOEICの活用方法についてご紹介していきます。

TOEIC結果の利用用途(複数回答)

(出典:「英語活用実態調査 2019」p.12、n=512)

この結果から、教育や研修の前後で、受講者の実力を測るために利用されることが最も多いことが分かります。

他にも、採用の基準や昇進・昇格の基準、海外赴任者・出張者の選抜基準でTOEICを利用すると回答した企業も多く、TOEICでハイスコアを取得することで入社後も様々なかたちで有利に働くことが分かりますね。

就職・転職が有利になるTOEICの点数:③有利になる点数

それでは、いよいよ企業が求めるTOEICの点数を確認していきましょう。ここでは、「英語活用実態調査 2019」p.14を元に、採用時だけでなく、昇進・昇格や海外出張・赴任者選抜などの際に企業が求めるTOEICスコアをご紹介していくので、是非ご覧ください。

就職・転職

採用時に、企業が要件または参考としているTOEICスコアの平均は以下です。

新卒採用(n=128)中途採用(※)(n=139)
545620
(出典:「英語活用実態調査 2019」p.14)、(※)英語を使用する部署の中途採用。

一般的に、「600点以上から履歴書に書いて意味がある」と言われることが多いですが、こちらの結果から、それが間違っていないことが分かりますね。就職、転職でTOEICの点数を活用したいと考えている方は、まず最初の目標として600点を目指してみるのが良いでしょう。

英語を強みにするなら800点を目指そう!

企業が採用の要件としているTOEICのスコアは600点程度と紹介しましたが、もし就活の際に英語力を強みとしてアピールするなら、目指すべきTOEICの点数はずばり800点です

一般的に、ビジネスシーンで英語を使おうとすると、最低でもTOEIC750点程度の力が必要だと言われています。つまり、TOEIC600点や700点程度の英語力だと、「人並み以上に英語はできるが、結局ビジネスで使えるレベルには達していない」と思われる可能性があるということです。

しかし、800点以上を持っていれば話は別です。TOEIC800点以上の点数を持っていれば、ビジネスシーンで通用する英語力を持っていることの証明になるため、「英語に関しては即戦力」と評価される可能性が高まります。

就活や転職で英語力をアピールしたいと考えている方は、ぜひTOEIC800点以上を目指すようにしましょう!

昇進・昇格

昇進・昇格時に、企業が要件または参考としているTOEICスコアの平均は以下です。

係長・主任(n=75)課長(n=108)部長(n=59)
515530565
(出典:「英語活用実態調査 2019」p.14)

TOEIC500点を取得していないと、昇進・昇格のチャンスを逃してしまうこともあるということですね。昇進・昇格においては、最低でも600点以上のスコアを取得しておかないと、TOEICスコアがネックになって昇進のチャンスを掴めないという危険がありそうです。

もちろん、英語を使用する機会が多い企業や部署であれば、もっと高い点数を要件としている可能性は高いです。ビジネスシーンで通用する英語力は一般に750点だと言われているので、海外とのかかわりが多い部署であれば、750点程度のスコアを取得しておくといいでしょう。

海外出張・赴任者選抜

海外出張・赴任者選抜時に、企業が要件または参考としているTOEICスコアの平均は以下です。

海外出張者(n=81)海外赴任者(n=122)
620635
(出典:「英語活用実態調査 2019」p.14)

やはり、海外出張・赴任者選抜時の平均スコアは、その他の平均スコアに比べて高くなっていますね。

しかし、実際に海外で英語を使ってビジネスをしようと思うと、TOEIC700点程度では不十分なことが多いです。また、中には海外赴任の要件を、800点や900点としている企業も多くあります。

したがって、海外で働きたいと考えていらっしゃる方は、ぜひ800点程度のハイスコアを取得しておきたいところです。

社員・職員に期待するTOEIC Programの平均スコア

最後に、企業が社員・職員に期待するTOEICの平均スコアをご紹介します。

新入社員中途社員技術部門営業部門海外部門
535560560575690
(出典:「英語活用実態調査 2019」p.14)

海外部門への配属を希望するのであれば、最低でもTOEIC700点は取得しておきたいところです。

また、TOEICが一定の点数に到達した場合、報奨金や資格手当を支給している企業も全体の30%程度存在します。ハイスコアを取得しておくと、就職・転職時だけでなく、入社後にもたくさんのメリットが得られることが分かりますね。

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就職・転職が有利になるTOEICの点数:④具体的メリット

ここまでで、TOEICである程度の点数を取得していると、あらゆる面で有利になることをお分かりいただけたかと思います。TOEICを受験する労力や費用を考えても、その後のことを考えると、ハイスコアを取得しておいた方が圧倒的にベネフィットが多いですね。

ここからは、「英語活用実態調査 2019」p.15を元に、業種別の昇進・昇格スコア例や、報奨金・資格手当の例(※)など、具体的な事例をご紹介していきます。自分の目指すべきスコアや得られる利益をより具体的にイメージできるかと思いますので、興味のある方はご覧ください。

※)報奨金と資格手当の例は、それぞれ報奨制度と資格手当で最も高く設定されているTOEICスコアとその金額です。

昇進・昇格スコアの例

業種係長・主任課長部長
商社700700700
化学・薬品600600600
食品600600
電気・精密機器650700700
情報通信・
通信サービス
500600720
飲食・宿泊500600600
(出典:「英語活用実態調査 2019」p.15)

昇進・昇格のスコアは、600点〜700点あたりに設定している企業が多そうです。

英語を使う機会が少ない部署に所属している人であっても、昇進・昇格のことを考えると、ある程度のTOEICスコアは取得しておいた方がいいでしょう。

報奨金の例

業種スコア金額
商社
 
9405,725円
70050,000円
化学・薬品

 
990300,000円
73030,000円
食品
 
86030,000円
73020,000円
電気・精密機器800100,000円
875100,000円
9901,000,000円
(出典:「英語活用実態調査 2019」p.15)

700点、800点などのハイスコアに到達すると、高額な報奨金を貰えるケースがあることが分かりますね。

中には、満点である990点を取得すると、30万円や100万円を報奨金として渡す企業もあるそうです。TOEIC満点を取得するのは簡単ではないですが、英語力に自信のあるかたは、挑戦してみてはいかがでしょうか?

資格手当の例

業種スコア金額
電気・精密機器86010,000円
卸売・小売80010,000円
飲食・宿泊80030,000円
その他サービス業9905,000円
(出典:「英語活用実態調査 2019」p.15)



給与にプラスして毎月これだけ資格手当が入ると思うと、とてもありがたいですよね。TOEICのハイスコアを保持していることが、企業で高く評価されていることの現れではないでしょうか。

また資格手当があれば、TOEICの受験料や勉強にかかった費用は、簡単に回収することができます。資格手当のある企業に勤めている場合は、TOEICを受験して損はないでしょう。

就職・転職が有利になるTOEICの点数:⑤TOEICスコアからみる英語レベル

TOEICの点数が企業でどの程度必要とされるのか、一定の点数を持っているとどの程度メリットがあるのかについて、お分かりいただけたのではないでしょうか?TOEICスコアは、就職や転職で有利になるどころか、その他様々な面で有利に働きます。

こうなってくると、今すぐにTOEICの勉強をしたくなってきますよね?

しかし、TOEICの勉強をする上で大事なのは、正しい目標を設定することです。自分の英語レベルや目指すべき水準を把握したうえで、目標スコアを決めるのが重要です。

正しい目標スコアを決めるため、ここではTOEICの平均スコアや他の英語試験と比べたときのスコアをご紹介します。この章を参考に、自分の目指すTOEICスコアを考えてみてください。

最高・最低・平均スコア

まずはTOEICの最高スコア・最低スコア・平均スコアがどのくらいなのか確認していきましょう。

IIBCが公表しているデータによると、第243回(2019年9月)テストの最高スコア・最低スコア・平均スコアは、以下のようになっています。

 ListeningReadingTotal
最高495495990
最低5510
平均321.2261.9583.1
(受験者数:118,074人)



TOEICでは、各試験の難易度の偏りによってスコアが上下しないよう、毎回統計処理が行われ、得点の調整がなされています。そのため、自分の実力に変化がない限り評価が一定に保たれるのが、TOEICスコアの特徴です。

おおむね平均点が600点弱となっているので、TOEIC600点を取得していれば平均より少し上、700点であればかなり上だと言えます。したがって、「英語が苦手だ」という方はまずはTOEIC600点を、「英語は普通くらい…」という方は700点を目指すようにしましょう。

とはいえ、「ビジネスシーンで英語を生かして活躍したい」と考えているのであれば、最低でも750点、できれば800点以上のTOEICスコアがあることが望ましいです。就活や転職で英語力を武器にしたいと考えている方は、このレベルのスコアを目指すようにしましょう。

主要英語試験とCEFRとの対照表

また、TOEICのスコアは英検やTOEFL、IELTSなど他の試験とも比較することができます。

ここでは、IIBCが公開している「TOEIC®Program各テストスコアとCEFR(※)との対照表」と、文部科学省が公開している「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」を参考に、TOEICのスコア別レベル目安を、その他の主要英語試験と比較して表にまとめてみました。

※)CEFRとは、ヨーロッパ全体で外国語学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインのことです(ヨーロッパ言語共通参照枠)。

TOEFL iBTや英検を受験したことがある方であれば、こちらの対照表でTOEICスコアごとのレベル目安を何となくお分かりいただけるのではないかと思います。

CEFRのそれぞれのレベルがどの程度の英語レベルを示しているのかについては、以下の記事で詳しくご紹介しているので、興味がある方は是非ご覧ください。

最短で目標スコアに到達したいあなたへ

さてここまで、就職・転職が有利になるTOEIC点数の話にとどまらず、一定のTOEICスコアを保持していることのメリットについて様々ご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

目標スコアを取得するためにお金や時間がかかったとしても、取得したことでその後得られるメリットと比較すると、今対策しない手はないですよね。

しかし、いざTOEICで目標点数を取得するために勉強しようと思っても、何をしていいのかイマイチ分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。勉強法や教材は世の中に溢れているし、どれがベストなのか自分で判断するのは至難の業です。

「時間とお金だけ費やして、結局点数が上がらなかった」という最悪の事態を避けるためにおすすめなのが、「TOEIC対策のプロに、ベストなやり方を聞く」という方法です。

しかし、英語系のスクールはたくさんあるし、どれを選べば良いのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。

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就職・転職を有利にするTOEICまとめ

この記事では、就活・転活の際に有利になるTOEIC点数を始め、企業における英語の位置づけや、点数を取得することで得られる具体的なメリットについてご紹介してきました。

600点を取得していれば、就活や昇進・昇格のタイミングで、英語力がネックになって失敗するということは少なそうです。ただ一方で、報奨金や資格手当の対象になるのは、700点、800点、900点などのハイスコアであることも分かりましたね。

TOEICは、正しく対策すれば必ずスコアを上げることができる試験です。
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Daisuke|監修者
プログリットのカリキュラム開発部:PGUマネージャー
英語コンサルタントを経験後、英語学習に関するデータ分析や自然言語処理・音声処理技術を用いた専用カリキュラムの設計・アルゴリズム開発に従事。現在は、「最高の英語学習を追求し、サービスをアップデートする」チーム(PGU)で、応用言語学や第二言語習得論などの学術的観点と最新AI技術などテクノロジーの両面からサービス開発・改善に携わっています。
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